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2014年11月23日日曜日

12月6日(土):第213回研究会

日時:2014年12月6日(土)13時
 
会場:専修大学法科大学院(8号館)845教室(満席の場合は842教室に変更)
*12月は、当初の予定を変更し、土曜のみ研究会を開催することになりました。
 
報告者①:中西優美子(一橋大学)
 
報告判例:2014年1月14日の第2法廷決定(2 BvR 2728/13ほか)
ESM/EZB事件
決定要旨
  1. 2011年11月ECB総裁にドラギが就任した。その後、2012年9月6日、欧州中央銀行(ECB)は、流通市場(secondary markets for sovereign bonds)におけるユーロ圏の国債を購入するプログラム(Outright Monetary Transactions、以下OMT)の導入を決定したことを公表した。
  2. OMT決定がEU法に違反しないか否か、具体的には、EU運営条約119条、127条1項及び2項並びにESCB及びECBの規則に関する議定書17条~24条と両立するか否かについて、また、ECBに付与された権限を超え、構成国の権限に介入していないか否か、EU運営条約119条及び127条の解釈、さらに、救済禁止条項を定めるEU運営条約123条が国債購入を許容していると解釈されるかなどについて先決裁定を求めることを決定した。EU運営条約119条は、EUの経済及び金融政策分野の活動を、EU運営条約127条1項及び2項は、ESCBの目的と任務を規定している。先決裁定手続とは、構成国の裁判所がEU条約及びEU運営条約の解釈並びにEU法行為の解釈及び有効性についてEU司法裁判所に付託しその判断を求める制度であるが、今回ドイツ連邦憲法裁判所がこの先決裁定制度を初めて利用することを決定した。
 
報告者②:カール・フリードリッヒ・レンツ(青山学院大学)
 
報告判例:2014年3月18日の連邦憲法裁判所第2法廷判決(BVerfG, 2 BvR 1390/12ほか)
 
分量が多い関係で、当日は、翻訳の印刷版を用意しない予定です。翻訳が必要な会員には、お手数ですが、次のページで予めダウンロードしてください。
 
判決要旨
  1. 欧州安定制度条約第8条5項および条約第2付属書の責任限定および2012年9月27日の欧州安定制度条約当事者の共通解釈宣言(BGBl II S. 1086)およびドイツ連邦共和国による一方的な宣言(BGBl II S. 1087)により、欧州安定制度条約から無制限な支払義務が成立しないことが、充分に保障されている。
  2. 立法者は欧州安定制度条約4条8項に同意したことを配慮して、ドイツ連邦共和国が欧州安定制度条約に基づく資金支払請求を期限内に完全に履行できることを、財政法上に完全に保障しなければならない。
  3. 欧州安定制度条約32条5項、34条および35条1項は、2012年9月27日の解釈宣言を前提して、ドイツ連邦議会による充分な議会監督および情報入手を妨げるものではない。
  4. ドイツ連邦議会の予算に関する総括責任は、欧州安定制度と議会の間の妥当性関連が絶対に破られないことを前提とする。欧州安定制度に新規加盟の場合、欧州安定制度条約44条・5条6項k)により、理事会の全員一致決定を必要とするから、ドイツ連邦共和国が現在に所持している拒否権が、事情が変わっても維持されることを保障できる。当該拒否権は、憲法上に必要である。