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2017年12月30日土曜日

2018年1月6日(土):第244回研究会

日時:2018年1月6日(土) 14時~17時(予定) 

会場:専修大学法科大学院棟3階「835教室」 

報告者:石塚壮太郎(北九州市立大学) 

報告判例:2016年4月20日第1法廷判決(BVerfGE 141, 220)――連邦刑事庁法一部違憲判決
http://www.bverfg.de/e/rs20160420_1bvr096609.html

判例要旨
1. a) 秘密の監視措置(住居監視、オンライン捜索、電気通信監視、電気通信データ取得、データ取得の特別の手段を用いた住居外の監視)の投入に関する連邦刑事庁への授権は、基本法における国際テロリズムの危険の防止のために、基本法の基本権と合致する。 
b) そのような権限の形成は、比例原則を満たさなければならない。深く私生活にまで達する権限は、十分に重い法益の保護または補強に限られなければならず、この法益の危険が十分具体的に見通せることを前提としなければならない。目的となる人物の周囲から責任なき第三者への〔介入〕権限の拡大は、限られた条件下でのみ許される。〔介入〕権限には、私的な生活形成の核心領域ならびに職業上の守秘義務を負う者を保護するための、優れて特別な規定が必要である。〔介入〕権限は、透明性、個人の権利保護および監督的統制の要請に服し、取得データに関する削除義務により脇を固められなければならない。 

2. 国家により取得されたデータの利用および伝達にかかる要請は、目的拘束と目的変更の原則に従う。 
a) 目的拘束の射程は、データ取得のためのその都度の授権に従う。データ取得の目的は、第一にその都度の捜査手続から見つけ出される。 
b) 立法者は、データ取得を決定づけた手続を超えて、このデータの当初の目的の枠内で、データ利用を許可することができる(再利用)。このことが前提とするのは、そのデータの利用が、同じ官庁により、同じ任務の達成のために、同じ法益の保護のためになされることである。さらに、住居監視または情報技術システムへのアクセスから得られたデータが問題となる場合には、そのいかなる再利用にも、データ取得を決定づけた、危険状況にかかる要請が満たされていなければならない。 
c) 立法者は、それを越えて、当初のデータ取得の目的とは異なる目的のための、データ利用を許可することができる(目的変更)。
 そのような目的変更のための比例性要請は、仮想的なデータ取得の原則に準拠する。それによれば、データの新たな利用は、その新取得が同等に重みづけられた手段により憲法上正当化されうるような重さの、法益の保護または犯罪の解明に資するものでなければならない。それに対して、データ取得の際のような、具体化された危険状況が、原則的に新たに必要とされるわけではない。しかし、必要かつ十分なのは、通常、具体的な捜査端緒の存在である。 

3.もっとも、住居監視およびオンライン捜索から得られたデータが問題となる場合、変更された目的での利用は、データ取得を決定づけた、危険状況にかかる要請も満たされている場合にのみ認められる。外国の国家機関へのデータの伝達は、目的拘束および目的変更という一般的な憲法原則に服する。新たな利用の評価に際しては、他の法秩序の固有性が考慮されなければならない。外国へのデータの伝達には、受取国でデータの十分に法治国家的な取り扱いが期待されうるかについての確認が求められる。

クリップボード@月報第254号

工藤達朗、西原博史、鈴木秀美、小山剛、毛利透、三宅雄彦、斎藤一久編著
『憲法学の創造的展開 上巻』戸波江二先生古稀記念(信山社、2017.12)
  • 1. 栗城壽夫「憲法の規範力の観点から見たヘルマン・ヘラーの社会的法治国家論」
  • 2. 毛利透「アレクシーとケルゼンはどう異なるのか―法学における視点選択の意義について」
  • 3. 渡辺洋「慣行と制裁―『法哲学の基本文献』を読み直す」
  • 4. ライナー・ヴァール(石塚壮太郎訳)「ワイマール憲法―十分な民主主義者なき民主制」〈原題〉Die Weimarer Verfassung:Eine Demokratie ohne genugend Demokraten〔Rainer Wahl〕
  • 5. 甲斐素直「オーストリア初期憲法史概説」
  • 6. 斎藤一久「日本における憲法パトリオティズムの可能性の探究」
  • 7. 實原隆志「国法学と実務の近さを批判する純粋法学的言説について」
  • 8. 藤井康博「現代ドイツ憲法学における国家目的『自由』『安全』『生命』――『国家なき国法学』に抗する立憲国家目的へ」
  • 9. 西土彰一郎「グローバル憲法についての覚書―憲法社会学を参考にして」
  • 10. 三宅雄彦「職務概念と公法理論―E・V・ハイエンの職務行政史・職務文献学・職務図像学」
  • 11. 小山剛「エバーハルト・グラビッツの基本権論」
  • 12. 玉蟲由樹「基本権制約はなぜ比例的でなければならないのか」
  • 13. 土屋武「基本権解釈の『主体』に関する予備的考察―P.ヘーベルレ,J.イーゼンゼー,M.ボロウスキの所説を中心に」
  • 14. 中野雅紀「価値・原理・統制―価値秩序における基本権」
  • 15. 千國亮介「私人間効力論議に関する覚書―憲法は私人間において無適用だが直接効力が及ぶ」
  • 16. 武市周作「外国権力による基本権侵害と保護義務―外国の情報機関からの保護義務の可能性」
  • 17. 棟居快行「プライバシー権の来し方・行く末」
  • 18. 嶋崎健太郎「生命の権利の衡量可能性」
  • 19. 押久保倫夫「それでも『人間の尊厳』は絶対である」
  • 20. 山本悦夫「参議院制度と投票価値の平等」
  • 21. 有澤知子「同性婚とアメリカ合衆国憲法―Obergefell v. Hodges判決を中心に」
  • 22. 西原博史「遺族年金差別訴訟に見る平等権領域における立法裁量の位置づけ」
  • 23. 大野友也「平等保護における合理性審査の厳格適用について」
  • 24. 馬場里美「共生と人権―ライシテをめぐる政治と法の交錯」
  • 25. 鈴木秀美「インターネット上のヘイトスピーチと表現の自由―ドイツのSNS対策法をめぐって」
  • 26. 岡田俊幸「ドイツ基本法における『集会』の概念」
  • 27. 杉原周治「民間放送における『支配的な意見の力』と集中排除規制―Axel SpringerによるProSiebenSat.1の合併計画をめぐる連邦行政裁判所2014年1月29日判決の分析を中心に」
  • 28. 石塚壮太郎「芸術の自由と著作権の相克―サンプリング事件判決を中心に」
  • 29. 柴田憲司「生存権の『制約』可能性―比例原則の適用可能性の「前提」をめぐるドイツの議論状況の覚書」
  • 30. 清野幾久子「福田徳三のシュタイン継受と「もう一つの立憲主義」―戦前生存権論とデモクラシー」


『憲法学の創造的展開 下巻』戸波江二先生古稀記念(信山社、2017.12)
  • 31. 井上典之「欧州連合という「国家ではない未来の形」―その核心にある基本権とともに」
  • 32. 大森貴弘「Staatenverbund:国家複合の概念―概念階層における位置及び適訳の探究」
  • 33. 門田孝「欧州統合に際しての国内機関の「責任」について―リスボン条約判決の「統合責任」論に着目して」
  • 34. 中西優美子「ドイツ連邦憲法裁判所とEU司法裁判所間の対話の発展」
  • 35. 建石真公子「ヨーロッパ人権条約第15議定書による「補完性原則の条約化」における「条約の実効性」と「国内裁判所の自立性」の対立と立憲主義」
  • 36. 新村とわ「EU 法における「補完性原則」の進展―司法判断と早期警戒システムを中心に」
  • 37. 江島晶子「人権実現における議会の新たな役割―ヨーロッパ人権条約・1998年人権法とイギリス人権合同委員会の関係から」
  • 38. 北村泰三「EU刑事司法と立憲的人権保障の課題」
  • 39. 近藤敦「無国籍者に対する収容・退去強制・仮放免の恣意性―比例原則と適正手続違反」
  • 40. 河合正雄「絶対的無期刑は非人道的な刑罰か―ヨーロッパ人権条約3条の視点から」
  • 41. 荒牧重人「子どもの権利条約と教育への権利保障―国連・子どもの権利委員会の一般的意見の分析」
  • 42. トーマス・ヴュルテンベルガー(高田倫子訳)「期限付きの支配(Herrschaft auf Zeit)としての民主制」〈原題〉Demokratie als Herrschaft auf Zeit〔Thomas Würtenberger〕
  • 43. 松原光宏「法学理論としての国民代表の観念について―理念としての代表」
  • 44. クリスティアン・シュタルク(太田航平訳)「法律および公行政によるその適用」〈原題〉Das Gesetz und seine Anwendung durch die öffentliche Verwaltung〔Christian Starck〕
  • 45. 牟憲魁「『法律の留保』の要否――台湾での議論を中心に」
  • 46. 石村修「警察の責務と情報収集活動」
  • 47. 高橋雅人「大学の自治と民主主義原理―ドイツにおけるNPM改革をめぐる議論から」
  • 48. 畑尻剛「憲法裁判における『制度』とその『運用』―比較憲法の対象としてのドイツ連邦憲法裁判所が教えるもの」
  • 49. カール=フリードリッヒ・レンツ「日本でドイツ法を学習する意味―抽象的違憲審査を題材に」
  • 50. 川又伸彦「緊急事態憲法と憲法裁判―ドイツ憲法異議手続きの制定史を素材に」
  • 51. 斎藤誠「或る確認訴訟の波紋(一八九四年)―権限裁判所・権限争議手続不存在の下で」
  • 52. 赤坂正浩「適用違憲論を考える」
  • 53. 武田芳樹「立法事実の審査に関する一考察」
  • 54. 國分典子「韓国における大統領弾劾審判とその基準」
  • 55. 根森健「ドイツ連邦憲法裁判所裁判官選任手続と民主的正当性―ヘーレートの公聴会制度の導入論を素材に」
  • 56. 渡辺康行「最高裁裁判官と「司法部の立ち位置」―千葉勝美裁判官の違憲審査観」
  • 57. 山元一「“空前”の「司法官僚」―泉徳治の研究」
  • 58. 柏﨑敏義「明治初期・立憲体制直前の財政法令―明治15年~22年の財政法令の整備」
  • 59. 枦山茂樹「合衆国憲法下の条約と法律―連邦三権の機能論」
  • 60. 工藤達朗「憲法改正手続規定に違反して行われた憲法改正の効力」

石村修「憲法と安全―警察と自衛隊の役割」専修ロージャーナル13号(2017年12月)

浮田徹
[ドイツ憲法判例研究(199)]「弁護士と医師・薬剤師との共同経営事務所形態での結びつきを禁止する規定が違憲とされた事例[連邦憲法裁判所第1法廷2016.1.12決定]」自治研究93巻12 号(2017年)144-152頁

鈴木秀美
  • [ドイツ憲法判例研究(200)]「公共放送内部監督機関の委員構成の合法性-第二ドイツ・テレビ判決[連邦憲法裁判所第1法廷2014.3.25判決]」自治研究94巻1号(2018年)141-148頁
  • 毎日新聞2017年12月27日朝刊11面「論点 NHK受信料」 

中西優美子「EU電子通信データ分野における個人データ保護及びプライバシー権と国内法」自治研究94巻1号 (2018年)96-108頁

吉岡万季
「憲法上の親の面会交流『権』:ドイツの生物学上の父の面会交流『権』を参考に」中央大学大学院研究年報法学研究科篇第46号(2017年2月)

2017年12月4日月曜日

12月9日(土):第243回研究会

日時:2017年12月9日(土) 14時-17時

会場早稲田大学早稲田キャンパス10号館101教室 *専修大学ではありません。ご注意ください。

*会場はキャンパスの奥まった場所にあります。以下のウェブサイトでご確認ください。
*終了後、18時より戸波先生古稀記念論文集の献呈式をリーガロイヤルホテルにて開催します。

報告者:土屋武(新潟大学)

報告判例:2017年1月17日の第2法廷判決[NPD判決](2 BvB 1/13)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2017/01/bs20170117_2bvb000113.html
判例要旨
1. 基本法21条2項に基づく政党禁止は、民主的法治国が組織的な敵に対する武器として最も先鋭的にしてさらには両刃の剣である。政党禁止は、憲法敵対的な基本的傾向を持った政党の存在とその団体として典型的な作用可能性に由来するリスクに対処する。
2. 政党の国家からの自由の要請と公正な手続の原則は、禁止手続を実施するうえでも必要不可欠である。
  • a) 政党に対する禁止手続中に当該政党の指導層に対して行われる秘密調査員の捜査活動は、厳格な国家からの自由の要請と一致しない。
  • b) 禁止の申立ての理由が、少なくとも一部が秘密調査員の活動によって成立する証拠資料に基づいている場合も同様である。
  • c) 公正な手続の原則が命じるところでは、禁止手続期間中の憲法擁護庁による政党の観察が政党の訴訟戦略の探知に役立つものであってはならず、また観察の枠内で得られた訴訟戦略に関する情報は手続の中で政党に不利な形で用いられてはならない。
  • d) 手続中止となるような障害は、憲法違反のありうる法的効果の最終手段としてのみ顧慮される。除去できない手続的障害の存在を確認するためには、一方で法治国家的な手続的要求と他方で当該手続の予防目的との間の衡量が必要である。
3. 自由で民主的な基本秩序の概念には、自由な立憲国家それ自体にとって欠くべからざるような中心的な基本原理のみが含まれる。
  • a) 自由で民主的な基本秩序は、その出発点を人間の尊厳に見いだす(基本法1条1項)。人間の尊厳の保障はとりわけ、人格的個別性、アイデンティティおよびインテグリティの維持、ならびに基本的な法的平等を含む。
  • b) さらに民主制原理は自由で民主的な基本秩序の本質的な構成部分である。民主制にとって放棄できないのが、すべての市民の政治的意思形成プロセスへの同権的参加可能性と国家権力の行使が国民にさかのぼって結び付けられることである(基本法20条1項および2項)。
  • c) 最後に、自由で民主的な基本秩序の概念にとって規定的なのが、法治国原理に根ざした公権力の法的拘束(基本法20条3項)と独立の裁判所によるこの拘束の統制である。同時に実定憲法によって保障された個人の自由は、物理的暴力の使用は裁判所の拘束的な統制に服する国家機関に留保されることを要求する。
4. 自由で民主的な基本秩序の除去の概念は、少なくともその本質的要素の廃止または他の憲法秩序や他の統治システムによる転換を意味する。ある政党がその政治的コンセプトによれば十分な強度をもって自由で民主的な基本秩序の感知可能なspürbar危険をもたらす場合には、〔自由で民主的な基本秩序を〕制約していることを出発点とすることができる。

5. 政党が自由で民主的な基本秩序の除去または制約を希求していることは、当該政党の目標またはその支持者の行動から明らかにされなければならない。
  • a) 政党の目標とは、政党が政治的に希求するものの総体である。
  • b) 支持者とは、党員でないとしても、政党のために力を尽くし、そして当該政党を信奉するすべての人である。
  • c) 政党にはまず、当該政党の機関、とりわけ政党指導部および指導的幹部の活動が含まれる。単なる党員の意見表明や行為の場合は、それがある政治的コンテクストの中にあり、政党がそれを是認または受忍した場合にのみ帰属することが可能である。政党に属していない支持者の場合には、原則としてその行動に政党が影響を受け、政党が行動を是認することが帰属可能性の必要条件である。具体的な帰属連関がなく犯罪行為や暴力行為を一括して帰属することは顧慮されない。免責特権の原則は、議会での意見表明の帰属を排除するものではない。

6. 政党が自由で民主的な基本秩序に反する目標を設定するだけでは政党禁止命令には十分ではない。むしろ政党は自由で民主的な基本秩序の制約または除去を「目指す」ものでなければならない。
  • a) そのような「目指すこと」は概念上、能動的行為を前提とする。政党禁止は心情・世界観の禁止ではない。政党による自由で民主的な基本秩序の克服のための限界値を超えることが必要である。
  • b) 特別な準備行為の意味で自由で民主的な基本秩序の制約もしくは除去またはドイツ連邦共和国の尊属を脅かすことに向けられた計画的措置が存在しなければならない。
  • c) 基本法21条1項により保護される法益に対する具体的危険がそれによって根拠づけられることは必要ない。もっとも、自由で民主的な基本秩序またはドイツ連邦共和国の存続に反対する行為の結果を少なくとも可能と思わせるような重要な具体的な手掛かりが必要である。
  • d) 暴力の使用はすでにそれだけで見ても、基本法21条2項の保護法益に対する攻撃の成功の可能性の想定を正当化するのに十分に重要である。ある政党が地域的に限定された空間で、政治的意思形成プロセスへのすべての者の自由で同権的な参加を持続的に制約するにふさわしい「不安の雰囲気〔不安感〕」をもたらす場合も同様である

7. 不文の構成要件要素を想定する余地は、基本法21条2項の枠内では存在しない。
  • a) ある政党が民族社会主義に本質的に類似していることは、それだけでは政党禁止命令を正当化しない。もっとも、それには憲法敵対的目標の追及に関して間接証拠として重大な意義が認められる。
  • b) 比例原則の個別的適用は必要ない。
8. 政党の違憲確認にかかる上述の要求〔要件〕は、欧州人権裁判所が人権及び基本的自由の保護のための条約(欧州人権条約EMRK)の政党禁止に関する判例から導き出した基準と一致する。
9. 以上のような基準に基づけば、禁止の申立てには理由がない。
  • a) 被申立人は、その目標および支持者の行動によれば、自由で民主的な基本秩序の除去を希求している。民族的な「国民共同体」に方向づけられた権威的な「国民国家」により既存の憲法秩序を転換することを目指している。このような政治的コンセプトは、民族的国民共同体に属さないすべての者の人間の尊厳を軽視するものであり、基本法の民主制原理と一致しない。
  • b) 被申立人は計画的に活動し、自由で民主的な基本秩序に反対する目標を達成することで性格づけられる。
  • c) しかし、このような行為が生硬に至ることが少なくとも可能であると思わせるような重要な具体的手がかりが欠けている。

戸波江二先生の古稀を祝う会 

日時:2017年12月9日(土) 18時-20時(17時30分より受付開始) 
場所:リーガロイヤルホテル東京
169-8613 東京都新宿区戸塚町1-104-19
TEL:03-5285-1121
祝う会に関する連絡先については月報をご確認ください。

Otto Pfersmann教授講演会のお知らせ

現在京都大学に滞在しておられるOtto Pfersmann教授の講演会を、下記のとおり開催いたします。

Pfersmann教授はオーストリア生まれで、ウィーン大学で博士号を取得された後、パリ第1大学教授などを経て、現在フランスのEHESS(École des hautesétudes en sciences sociales, 社会科学高等研究院)教授を務めておられます。フランスの実定憲法についての著作のほか、ハンス・ケルゼンやカール・シュミットの検討など法理論的問題について多くの論文を公表しておられ、Matthias Jestaedt教授が所長を務めるHans-Kelsen- ForschungsstelleのWissenschaftlicher Beiratのメンバーでもいらっしゃいます。

今回は、ドイツ語で憲法学の基礎理論的問題についてご講演いただけることになりました。ぜひ多くの皆様にご参加いただければと存じます。


  • 日時:2018年1月20日(土) 15時より
  • 場所:京都大学法経第11教室(法経本館1階西ウイング)
  • 講演者:Otto Pfersmann教授
  • 講演タイトル:Verfassungsideologien und Objektivität der Rechtsdogmatik(憲法イデオロギーと法解釈学の客観性)通訳あり
 なお、講演会の後、懇親会を行う予定です。懇親会への参加を希望される方は、月報記載の連絡先までご連絡ください。

アルプレヒト・ヴェーバー教授の来日・国際セミナーのお知らせ

本研究会とシュタルク教授との共同研究に参加されたアルプレヒト・ヴェーバー教授が2018年2月下旬、国立国会図書館の招へいにより来日されることになりました。ヴェーバー教授は、2月23日(金)に国会図書館主催の国際セミナー(一般向け)に登壇されるほか、2月20日(火)には早稲田大学にてドイツ憲法判例研究会のために講演してくださる予定です。2月20日の講演会については、詳細が決まり次第、月報にてお知らせします。

なお、教授は、国立国会図書館で開催される国際セミナーでは、ドイツにおける外国人労働者の問題を中心に講演され、終了後、日本のEU法・ドイツ法の専門家とのパネルディスカッションも行われます。同時通訳付(日⇔英)。2月21日までに国会図書館ウェブサイトからお申し込みください。先着順300名までです(http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/ips2017.html)。

  • 日時:2018年2月23日(金)14時-17時(13時半会場)  *300名(先着順)
  • 場所:国立国会図書館東京本館新館講堂
  •  国際セミナー「EUにおける外国人労働者をめぐる現状と課題―ドイツを中心に」
  •  基調講演:アルブレヒト・ヴェーバー(オスナブリュック大学教授)
  • パネルディスカッション
    コーディネーター:中村民雄 (国立国会図書館客員調査員・早稲田大学大学院法学研究科教授)
    パネリスト:中坂恵美子(中央大学文学部教授)、広渡清吾(東京大学名誉教授)

国際憲法学会世界大会のソウル開催について

IACLの第10回世界大会が、2018年6月18日~22日、ソウルで開催されます。IACLのウェブサイトに登録期限等が告知されています。参加登録は2017年11月末まで250ドルでしたが、今後、2018年3月末までは300ドル、それ以降は450ドルとなります。参加費がそれぞれ異なりますので、ご注意ください。IACLでは、参加だけでなく、Paperの提出も受け付けています。詳細は、ウェブサイトでご確認ください。
http://www.iacl-aidc.org/en/
http://wccl2018-seoul.org/

クリップボード@月報第253号

『憲法研究・創刊第1号』(信山社、2017.11)
  • 芹沢斉「象徴天皇制をめぐる課題」
  • 片桐直人「憲法と「皇室経済」―佐藤功の所説を手がかりとして」
  • 渡辺康行「「君が代」訴訟の現段階―東京高裁平成27年5月28日判決を素材として」

赤坂正浩
  • 「統治機構論探訪Ⅶ――権力分立と正統性」法学セミナー754号(2017年)76-83頁
  • 「統治機構論探訪Ⅷ――ガバナンス」法学セミナー755号(2017年)72-77頁
  • 「統治機構論探訪Ⅸ――私化時代の法定立」法学セミナー756号(2018年1月号)62-67頁

斎藤一久
[ドイツ憲法判例研究(198)]「保育園における保育者のイスラームスカーフ事件[連邦憲法裁判所第一法廷第二部会2016.10.18決定]」自治研究93巻11号(20127.11)144-151頁

鈴木秀美
  • 山腰修三編著『入門メディア・コミュニケーション』(慶應大学出版会、2017)
    • 第3章「ジャーナリズムと法」37~54頁
    • 第7章「放送・インターネットと表現の自由」113~129頁
  • 「『開かれた新聞』委員会から 衆院選、実相伝えたか」毎日新聞(東京朝刊)2017年11月21日朝刊

高田倫子(訳)
「オリバー・レプシウス:ドイツ国法学におけるケルゼンールネサンス」日独法学30・31・32合併号(2017年7月)

高橋雅人
「緊急事態に対する「行政による統制」?」憲法理論研究会『展開する立憲主義(憲法理論叢書25)』(敬文堂、2017年10月15日)

中西優美子
「EUの委任行為と実施行為の相違(6 5)EU法における先決裁定手続に関する研究(24)C-427/12 Commission v European Parliament and Council:ECLI:EU:C:2014:170(二〇一四年三月一八日判決)」自治研究93巻10号(2017.10)91-101頁

棟居快行
「憲法訴訟の実践と理論8──給費制廃止の憲法問題」判例時報2345号(2017.11)

村山美樹
「同性婚をめぐる憲法上の議論―ドイツとの比較を通じて」大学院研究年報(中央大学)46号・法学研究科篇(2017年2月)

2017年10月29日日曜日

11月4日(土):第242研究会

日時:2017年11月4日(土) 13時~18時  *報告2つのため13時からです。ご注意ください。
会場:専修大学法科大学院835教室

報告①(サブ報告) 13:00~14:50
報告者: 古野豊秋(日本比較法研究所嘱託研究所員)
報告判例:2016年10月31日第1法廷第1部会決定[別宅課税事件](1 BvR 871/13, 1 BvR 1833/13
判例要旨(本件の概要):
i. 本件の異議申立人は、自分の事務所としての別宅が、フライジンク市の「別宅税」に関する条例の例外規定に該当するとして、当局の課税処分に対して不服を申し立てたが、当局および専門裁判所ではその主張が認められなかった。
ii. 専門裁判所(バイエルン上級行政裁判所)は、当該例外規定の合憲性を合憲解釈で肯定した。
iii. その合憲解釈では、本宅以外の職業(営業)上の別宅が「別宅税」の例外とされる条件として、その「別宅」が主に利用されていることを新たに追加した。そして本件の「別宅」は、この新たな条件を満たしていないとして、異議申立人の主張を退けたのである。
iv. 憲法裁判所は、そのような解釈に基づく専門裁判所の決定が「合憲解釈」の限界を超えたものとして、異議申立人の基本権を侵害するとした。
v. 憲法裁判所の本件における決定は、専門裁判所による憲法の規定の解釈そのものを問題としたのではなくて、当該条例の解釈の仕方を問題とした。


報告②(メイン報告) 15:00~18:00
報告者:柴田憲司(中央大学)
報告判例:2016年7月27日第1法廷決定(BVerfGE 142, 353)(Beschluss des Ersten Senats vom 27. Juli 2016 -1 BvR 371/11-)
 〔最低限度の〕生存を確保する給付の保障(基本法20条1項と結びついた同1条1
項)のための需要を〔立法者が〕探求する際、原則として、扶養請求権の存否に関わ
らず、家族共同体において、互いのために保障し合い「共同の財産で」(“aus
einem Topf”)やりくりすることが合理的に期待されうる者の収入および財産を考慮
に入れることができる。

クリップボード@月報第252号


判例時報の連載
  • 毛利透「憲法訴訟の実践と理論1―ヘイトデモ禁止仮処分命令事件」判例時報2321号(2017年)
  • 毛利透「「憲法訴訟の実践と理論5―アンケート調査による個人情報取得とプライバシー権・表現の自由」判例時報2334号(2017年)
  • 小山剛「憲法訴訟の実践と理論3-自衛隊除法保全隊事件控訴審判決」判例時報2328号(2017年)
  • 小山剛「憲法訴訟の実践と理論7-第三者行為論と国の基本権保護義務」判例時報2341号(2017年)
  • 棟居快行「憲法訴訟の実践と理論4-タクシー事業における運賃設定の自由と規制」判例時報2331号(2017年)
判例時報2344号増刊「法曹実務にとっての近代立憲主義」(2017年11月3日)
  • 毛利透「表現の自由1」
  • 西原博史「思想・良心の自由」

笹田栄司
「司法過程と民主主義――司法組織のあり方を中心に」公法研究79号(2017.10)50-73頁

鈴木秀美
  • 「『開かれた新聞』委員会 座談会 偽情報に対抗措置を 分極化するネット社会」毎日新聞(東京朝刊)2017年10月17日
  • 「書評:山田健太『放送法と権力』」図書新聞3317号(2017年9月2日)

玉蟲由樹
[ドイツ憲法判例研究(197)]「世話法上の強制処遇と国家の基本権保護義務[連邦憲法裁判所第一法廷2016.7.26決定]」 自治研究93巻10号(20127.10)151-158頁

Yumiko Nakanishi (ed), Contemporary Issues in Human Rights Law: Europe and Asia, Springer , 2017
Yumiko Nakanishi, "Mechanisms to Protect Human Rights in the EU's External Relations"
Takeshi Jitsuhara, "Guarantee of the Right to Freedom of Speech in Japan-A Comparison with Doctorines in Germany"

2017年10月3日火曜日

10月13日(金):第241回研究会

日時:2017年10月13日(金) 18時~20時 *東北大での公法学会の前夜

報告者:高橋和広(東邦大学)

報告判例:2016年7月6日第2法廷第3部会決定(2 BvR 1454/13)
http://www.bverfg.de/e/rk20160706_2bvr145413.html

判例要旨:ネットサーフィン等のインターネット上の行為は、刑訴法100a条の「テレコミュニケーション」に該当する。基本法10条への介入は刑訴法100a条に基づき正当化される。

会場:「TKPガーデンシティ仙台 会議室30C」 

研究会終了後20時より、研究会会場の隣の部屋でケータリングサービスを利用して懇親会を開催いたします。予約の関係で懇親会にご参加くださる方は月報のアドレスまでお申込みください。申込みの最終的な締め切りは10月9日(月)とさせていただきます。

クリップボード@月報第251号

赤坂幸一
「統治機構論探訪Ⅰ-秩序形成プロセスと憲法」法セミ748号(2017年)70-76頁
「統治機構論探訪Ⅱ-憲法留保」法セミ749号(2017年)51-58頁
「統治機構論探訪Ⅲ-インフォーマルな憲法秩序」法セミ750号(2017年)54-59頁
「統治機構論探訪Ⅳ-新たな秩序形成プロセス」法セミ751号(2017年)74-78頁
「統治機構論探訪Ⅴ-委任立法の『目的・内容・範囲』」法セミ752号(2017年9月号)74-83頁
「統治機構論探訪Ⅵ-議会留保」法セミ753号(2017年10月号)
「統治機構論探訪Ⅶ-権力分立と正統性」法セミ754号(2017年11月号)76-83頁「立法過程の合理化・透明化」法教440号(2017年)44-51頁
「ドイツにおける連邦政府内部の憲法適合性審査-ベルリン調査報告」レファレンス794号(2017年)67-86頁


石村修
「田中正造と今村力三郎」専修大学今村法律研究室報67号(2017)


斎藤誠
「議員の発言による国家賠償・個人責任と司法審査のあり方」佐藤幸治・泉徳治編『行政訴訟の活発化と国民の権利重視の行政へ[滝井繁男先生追悼論集]』所収、2017年、219頁以下


Matthias Jestaedt/Hidemi Suzuki(Hrsg.)
Verfassungsentwicklung I, Auslegung, Wandlung und Änderung der Verfassung. Deutsch-japanisches Verfassungsgespräch 2015
 Vgl. https://www.mohr.de/buch/verfassungsentwicklung-9783161555190
I. Die Rolle von Verfassungsrecht
Toru Mori: Die Rolle von Verfassungsrecht – bei Rawls, Habermas und in Japan – Uwe
・Volkmann: Die Rolle von Verfassungsrecht – Kommentar zum Referat von Toru Mori

II. Konzepte der »Verfassungsentwicklung"
・Christian Bumke: Konzepte der Verfassungsentwicklung
Tomonobu Hayashi: Das Konzept »Verfassungsentwicklung« – aus japanischer Sicht

III. Die Verfassungsänderung und ihre Grenzen
・Christoph Schönberger: Die Verfassungsänderung und ihre Grenzen: Überlegungen zu einem Vergleich zwischen Deutschland und Japan
Atsushi Takada: Verfassungsänderung und ihre Grenze in Japan

IV. Der Verfassungsänderungsentwurf der LDP
Hiroshi Nishihara: Zwischen Staatsabhängigkeit und Repräsentationsdefizit. Warum akzeptieren viele Japaner die anti-freiheitliche Verfassungsreform der LDP?
・Christian Waldhoff: Kommentar zum Vortrag von Hiroshi Nishihara

V. Notwendigkeit und Bedeutung einer Verfassungsänderung am Beispiel von Art. 10, 13 und 16 GG
・Christian Hillgruber: Notwendigkeit und Bedeutung einer Verfassungsänderung am Beispiel von Art. 10, 13 und 16 GG
Nobuhiko Kawamata: Verfassungsänderung und Verfassungsgerichtsbarkeit – Kommentar zum Referat von Christian Hillgruber

VI. Verfassungsinterpretation und Verfassungswandel
Yuhiko Miyake: Verfassungsinterpretation und Verfassungswandel
・Ralf Poscher:Verfassungswandel – Eine sprachtheoretische Erläuterung

VII. Lebenspartnerschaft: Schutz durch die Verfassung
・Martin Nettesheim: Auf dem Weg zur gleichgeschlechtlichen Ehe: Zur Rolle von Bundesverfassungsgericht und Gesetzgeber
Mitsuhiro Matsubara: Lebenspartnerschaft: Schutz durch die Verfassung – Kommentar


鈴木秀美小山剛、マティアス・イェシュテット、ラルフ・ポッシャー編
『憲法の発展I』(信山社、2017年9月)
 Vgl. http://www.shinzansha.co.jp/book/b314307.html
◆Ⅰ◆ 憲法の役割
◇ 1〈報告〉◇憲法の役割―ロールズ、ハーバーマス、日本〔毛利透
◇ 2〔コメント〕◇憲法の役割〔ウヴェ・フォルクマン〔西土彰一郎 訳〕〕
◆Ⅱ◆ 「憲法発展」の概念
◇ 1〈報告〉◇憲法発展の諸構想〔クリスチャン・ブムケ〔高橋雅人 訳〕〕
◇ 2〔コメント〕◇「憲法発展」の観念―日本の視点から〔林知更
◆Ⅲ◆ 憲法改正とその限界
◇ 1〈報告〉◇憲法改正とその限界―日独比較についての考察〔クリストフ・シェーンベルガー〔柴田尭史=宮村教平 訳〕〕
◇ 2〔コメント〕◇日本における憲法改正とその限界〔高田篤
◆Ⅳ◆ 自由民主党の日本国憲法改正案
◇1〈報告〉◇国家依存性と代表性の欠陥の狭間で―多くの国民が反自由主義的な自民党憲法改正草案を受け入れる理由?〔西原博史
◇2〔コメント〕◇自由民主党の日本国憲法改正案〔クリスチャン・ヴァルトホフ〔杉原周治 訳〕〕
◆Ⅴ◆ ドイツ基本法10条、13条、16条を例とした憲法改正の必要性と意義
◇1〈報告〉◇憲法改正の必要性と意義、基本法10条、13条、16条を例として〔クリスチャン・ヒルグルーバー〔大西楠・テア 訳〕
◇2〔コメント〕◇憲法改正と憲法裁判〔川又伸彦
◆Ⅵ◆ 憲法解釈と憲法変遷
◇ 1〈報告〉◇憲法解釈と憲法変遷〔三宅雄彦〕
◇ 2〔コメント〕◇憲法変遷―言語理論による一解明〔ラルフ・ポッシャー〔柴田憲司 訳〕〕
◆Ⅶ◆ 同性パートナーの憲法による保護
◇ 1〈報告〉◇同性婚への道筋―連邦憲法裁判所と立法者の役割について〔マルティン・ネッテスハイム〔太田航平村山美樹 訳〕〕
◇ 2〔コメント〕◇生活パートナーシップ:憲法による保護―法・変遷する社会〔松原光宏


鈴木秀美
「『開かれた新聞』委員会から 戦後72年の夏、報道の使命」
毎日新聞(東京朝刊)2017年9月14日13面


棟居快行
「ハンセン病と憲法」専修大学今村法律研究室報67号(2017)


カール=フリードリッヒ・レンツ
[ドイツ憲法判例研究(196)]土地取得税に関するドイツ連邦憲法裁判所の違憲決定[第一法廷2015.6.23]」 自治研究93巻9号(2017.9)145-154頁

2017年8月25日金曜日

9月2日(土):第240回研究会

日時:2017年9月2日(土) 14時

会場:専修大学(法科大学院棟3階の835 教室)

報告者:武市周作(東洋大学)

報告判例:2016年4月19日第1法廷判決[子どもが自分の出自を知る権利とその限界について](1 BvR 3309/13)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2016/04/rs20160419_1bvr330913.html

判例要旨
一般的人格権(基本法1条1項と結びついた2条1項)は立法者に対して、民法典1600d条による父性確定手続に加えて、推定上の血縁の父ではあるが法的には父親ではない者に対する出自に関する・独立のすなわち法的効果のない解明手続をも整備することは義務づけられていない。

クリップボード@月報第250号

水島朝穂
『平和の憲法政策論』(日本評論社、2017年)

片桐直人・岡田順太・松尾陽編
『別冊法学セミナー:憲法のこれから』(日本評論社、2017年)
  •  藤井康博「環境と未来への責任――環境憲法と憲法改正?」
  •  片桐直人「『官邸主導』政治のコントロール」
  •  高橋雅人「執行権の集中と分散」
  •  上代庸平「経済財政政策と憲法――『従たる憲法』としての経済・財政憲法?」
  •  片桐直人・岡田順太・松尾陽「鼎談」

渡辺康行・木下智史・尾形健編『憲法学からみた最高裁判所裁判官』(日本評論社、2017年)
  • 赤坂幸一「第2章 河村又介」「第24章 竹崎博允」
  • 片桐直人「第8章 村上朝一」「第14章 矢口洪一」
  • 渡辺康行「第10章 団藤重光」「第21章 藤田宙靖」
  • 笹田栄司「第11章 中村治朗」

佐藤幸治・泉徳治編『行政訴訟の活発化と国民の権利重視の行政へ』(日本評論社、2017年)
  • 笹田栄司「『人権の実効的救済』についての覚書」
  • 棟居快行「違憲国賠訴訟とその周辺」

石塚壮太郎
「[ドイツ憲法判例研究195]レコードサンプリングをめぐる芸術の自由と著作隣接権との調整 : サンプリング事件[ドイツ連邦憲法裁判所第一法廷2016.5.31判決]」自治研究93巻8号(2017.8)151-158頁

鈴木秀美
「書評:成原慧『表現の自由とアーキテクチャ』」論究ジュリスト2017年夏号134-135頁 

土屋武
「[ドイツ憲法判例研究194]欧州議会選挙三%阻止条項違憲無効判決」自治研究93巻7号(2017.7)154-162頁

高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林知更・小島慎司・西村裕一
「戦後憲法学の70年を語る――髙橋・高見憲法学との対話1-1 第1回 研究の出発点、憲法学の方法論」法律時報89巻9号(2017.7)
 
三宅雄彦
「書評・公法学史方法の日独比較・Christoph Schönberger, Der „German Approach“, 2015」(埼玉大学)社会科学論集151号(2017年6月)21-29頁

2017年6月23日金曜日

7月1日(土):第249回研究会

日時:2017年7月1日(土) 14時

会場:専修大学(法科大学院棟3 階の837 教室) *いつもの教室とは異なります。
報告者:カール=フリードリッヒ・レンツ(青山学院大学)

報告判例:2016年12月6日の第1法廷判決[原発廃止法違憲判決](1 BvR 2821/11, 1 BvR 1456/12, 1 BvR 321/12)
 ※判例の翻訳はレンツ会員のDropboxに公開されています。以下のリンクを辿って確認できます(リンクをクリックするとPDFファイルが開きますのでご注意ください)。
http://k-lenz.de/atom

判例要旨
  1. 原発廃止の加速を目的とした原子力法の第13改正法は、概ねに、合憲である。
  2. 欧州連合の加盟国が完全に所有する国内の営利活動している法人は、憲法の欧州連合法に対する礼譲を故に、例外の場合には所有権を主張して憲法異議を提起することができる。
  3. a) 2002年および2010年の法律により、個別原発に指定された発電枠は、それ自体が所有権保護を受ける個別対象でないが、重大な使用枠として原発の所有権保障の一部である。
    b) 公法上の許可は、原則として所有権保障の対象でない。
  4. 憲法14条3項における収用は、所有権の主体変更による所有権の剥奪の上に、常に国家による所有権取得を必要とする。そのため、2011年7月31日の第13原子力法改正法による原発廃止加速に関する規定は、収用に該当しない。
  5. 憲法14条1項2文の内容および限界を定めるための、所有権に関する使用および処分の自由の制限が具体的な所有権地位を剥奪して国家の権利取得がない場合、これらの制限の比例性について厳格に審査しなければならない。その場合、常に補償について検討しなければならない。
  6. 本件憲法異議の対象である第13原子力法改正法により、2010年末の立法で原発の運転期間が平均12年間に延長されたことが撤回されたが、その撤回は、追加発電枠に関する信頼が複数の原因により限定されたため、合憲である。立法者には、危険についての新たな認識がない前提でも、福島原発を理由に、国民の健康の保護および環境保護を目的に、原発廃止を加速することが許された。
  7. 発電所の残存運転機関が法律で定められたこと、本件で特に約束された信頼保護のため、第13原子力改正法は、以下の点で、許されない所有権の内容および限界を含む。憲法異議の原告の2社について、2002年の残存発電枠を社内で利用できない結果になる点である。
  8. 一定の条件の元、憲法14条1項は、現行法の維持に関する正当な信頼が所有権およびその利用可能性に関する投資の根拠となる限り、その信頼を保護する。

クリップボード@月報第249号

阪口正二郎・毛利透・愛敬 浩二編
『なぜ表現の自由か:理論的視座と現況への問い』(法律文化社、2017年)

門田孝・井上典之編『憲法理論とその展開——浦部法穂先生古稀記念』(信山社、2017年)
  • 赤坂正浩「機構としての国家――R・ヘルツォークとP・ペルンターラの国家観」
  • 井上典之「事後法禁止の原則をめぐる憲法上の一考察――遡及的効果を持つ法内容の変更と法治国家原理・基本権」
  • 西土彰一郎「トランスナショナル憲法の可能性」
  • 棟居快行「人権制約法理としての『浦部三原則』」
  • 門田孝「裁判所による憲法解釈の「視点」に関する一考察――2013年婚外子法定相続分規定違憲決定を契機として」
  • 宮地基「ドイツにおける精神病患者の強制治療と基本権保障」
  • 春名麻季「人権の基底的原理としての「個人の尊重」についての一考察――夫婦別姓事件合憲判決を素材に」
  • 浮田徹「子の育成及び教育にかかる費用と憲法原理」
 
法律時報編集部編『法律時報増刊・戦後日本憲法学70年の軌跡』(日本評論社、2017年)
  • 森英樹「『二つの法体系』論――原点を問い、現点を診る」
  • 戸波江二「憲法訴訟論」

樋口陽一・中島徹・長谷部恭男編『憲法の尊厳――奥平憲法学の継承と展開』(日本評論社、2017年)
  • 渡辺洋「憲法文化の規範性――いま、奥平康弘『法ってなんだ』を読み直す」
  • 押久保倫夫「人権/権利/人間像――『一人前の人間』論を契機として」
  • 毛利透「インターネット上の匿名表現の要保護性について――表現者特定を認める要件についてのアメリカの裁判例の分析」
  • 渡辺康行「最高裁判所判事としての団藤重光――『リベラルなタカ』の挫折と価値」

片桐直人
[ドイツ憲法判例研究193]「OMT合憲判決」自治研究93巻6号(2017.6)147-155頁

鈴木秀美
「ドイツのSNS対策法案の概要と問題点」Law&Technology76号(2017)35-43頁
 
  

2017年5月27日土曜日

6月3日(土):第238回研究会

会場:専修大学(法科大学院棟3階の835教室)
 

10時~ 「日独憲法対話2017」準備会

 今年9月にドイツで開催予定の「日独憲法対話2017」では、「憲法の発展 Ⅱ―憲法裁判所による憲法の発展」という総合テーマの下、下記の7つの個別テーマが取り上げられる予定です。準備会では、日本側の報告・コメントの内容について意見交換を行います。会員の皆様には、「日独憲法対話2017」に参加予定か否かに関係なくどうぞご参加ください。
  • 第1テーマ「ドイツ型とアメリカ型の違憲審査制」
    報告:マティアス・イェシュテット(フライブルク大学)
    コメント:畑尻剛(中央大学)
  • 第2テーマ「憲法裁裁判所の非公式な活動」
    報者:クリストフ・メラース(ベルリン・フンボルト大学)
    コメント:鈴木秀美(慶應義塾大学)
  • 第3テーマ「判決憲法異議」(於:フライブルク大学)
    報告:パスカーレ・カンシック(オスナブリュック大学)
    コメント:松本和彦(大阪大学)
  • 第4テーマ「憲法適合的解釈」
    報告:小山剛(慶應義塾大学)
    コメント:マティアス・ルッフェルト(ベルリン・フンボルト大学)
  • 第5テーマ「憲法裁判所判決に対する立法者の反応」
    報告:オリバー・レプシウス(バイロイト大学)
    コメント:赤坂幸一(九州大学)
  • 第6テーマ「異なる裁判体による憲法判断」
    報告:ヨハネス・マージング(フライブルク大学、BVerfG)
    コメント:大西楠(専修大学)
  • 第7テーマ「家族法における非嫡出子の位置づけ-立法と憲法判例」
    報告:宮地基(明治学院大学)
    コメント:ガブリエレ・ブリッツ(ギーセン大学、BVerfG)

14時~ 月例研究会

報告者:三宅雄彦(埼玉大学)
報告判例:2016年10月13日第2法廷判決[CETAに対する仮命令を拒否した判決]
(2 BvR 1368/16, 2 BvE 3/16, 2 BvR 1823/16, 2 BvR 1482/16, 2 BvR 1444/16)
 
判例要旨
  1. CETA[カナダ及びEUの自由貿易協定]への[EU評議会における]ドイツ政府の同意を禁止する仮命令を[連邦憲法裁判所が]認めた場合、ドイツ及びEUに生ずるその政治的な否定的帰結は、[仮命令を認めない場合の]CETAの暫定発効による不利益より大きい。
  2. とりわけポートフォリオ投資、投資保護、国際海上取引、職業資格の双方的承認、労働保護に関しては、EUに条約締結権限が欠如していることから、EU評議会がCETAの暫定適用を認める決議をすれば、それは権限踰越行為とみなされる可能性がある。
  3. CETAが規定する委員会制度につき、その具体的内容が、憲法アイデンティティの一部である民主主義原理の諸原則に抵触するおそれが、完全には排除されていない。
  4. 基本法38条1項並びに20条1項及び2項の保護法益に対するリスクは、様々な予防措置により排除できるのであり、これにより、連邦憲法裁判所法32条1項の意味での公共の福祉に対する重大な不利益を、回避することができる。

クリップボード@月報第248号

赤坂幸一
「立法過程の合理化・透明化」法学教室440号(2017.4)36頁


初宿正典
  • Masanori Shiyake, Ein kleiner Beitrag zum Begriff des Staates und der Volkssouveränität in der japanischen Verfassung“, in: Kazuhiro Takii / Michael Wachutka (Hrsg. ), Staatsverständnis in Japan. Ideen und Wirklichkeiten des japanischen Staates in der Moderne, Nomos, Baden-Baden 2016, S. 175-184.
  • 「フォルストホフのいわゆる《エーブラハ・セミナー》について」産大法学50巻1・2号〔京都産業大学創立50周年記念号〕(2017年)、135頁~158頁
  • 「《翻訳文化としての法律学》閑話」『文明と哲学』(日独文化研究所年報)第8号(こぶし書房、2017年)、246頁~262頁


國分典子
「韓国におけるテロ対策立法」論究ジュリスト21号(2017)70-78頁


鈴木秀美
「検索サービスにおける表現の自由とプライバシー」ジュリスト1507 号(2017)101-104頁


高田篤
「非常事態とは何か――憲法学による捉え方」論究ジュリスト21号(2017)4-12頁

2017年5月2日火曜日

5月12日(金):第237回研究会

日時:2017年5月12日()18時~20時 *全国憲の前夜

会場:神戸国際会館(JR三ノ宮駅・阪急三宮駅より徒歩3分)
*右のHPに掲載されたアクセスマップで場所をご確認ください。http://www.kih.co.jp/access

報告者:浮田徹(摂南大学)

報告判例:2016年1月12日の第1法廷決定( 1 BvL 6/13)
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2016/01/ls20160112_1bvl000613.html

]判例要旨
 連邦弁護士法(Bundesrechtsanwaltsordnung=BRAO)59a条1項1文は、それが弁護士に対し医者及び薬剤師との業務上のパートナーシップを結び業務を行うことを禁止する限りにおいて基本法12条1項と一致せず無効である。


*終了後、20時15分から懇親会を開催します。幹事は、丸山敦裕会員(関西学院大学)です。

 ご出席くださる会員は、予約の都合がありますので、5月8日(月)までに丸山会員へメールでお申し込みください(メールアドレスは月報に掲載)。懇親会のみの参加も歓迎いたします。

会場:KICHIRI フラワーロード店
電話:050-5845-6313
https://www.hotpepper.jp/strJ000508114/(お店は、JR三ノ宮駅・阪急神戸本線三宮駅・阪神本線三宮駅から徒歩5分、三ノ宮駅南側フラワーロード沿い、神戸国際会館の南側にあるビル「カーサグランデ」6階です。

クリップボード@月報第247号

初宿正典・高橋正俊・米沢広一・棟居快行
『いちばんやさしい憲法入門』(有斐閣、2017)

横大道聡編著『憲法判例の射程』(弘文堂、2017)
  • 赤坂幸一「職業の自由」
  • 柴田憲司「生存権訴訟」、「行政裁量・立法裁量と『専門技術的・政策的判断』の内実」

石村修
「憲法尊重擁護義務と最高権力者の言葉」法律時報89巻5号(2017.4)

井上典之
「ドイツのテロ対策・予防のための法制度――『憲法の枠内』か安全の優先か」論究ジュリスト21号(2017)49頁

工藤達朗
「憲法と租税法に関する若干の所感」法学新報123巻11・12号(2017.3)671-686頁

近藤敦
「移民統合政策指数(MIPEX)における欧米韓日の比較――外国人の人権の比較法的・人権条約適合的解釈」法律時報89巻4号(2017.4)

鈴木秀美
【ドイツ憲法判例192】「警察官買収の嫌疑による新聞社に対する強制捜査とプレスの自由―ベルリーナー・モルゲンポスト事件」自治研究93巻5号(2017年)151-158 頁

高田篤
「ドイツ連邦憲法裁判所の『自己言及』」法律時報89巻5号(2017.4)

高田倫子
「ドイツにおける法段階説の受容と展開―『裁判官による法形成』を巡る議論の一断面」中京法学51巻4号(2017)109-141頁

玉蟲由樹
「憲法学における尊厳論の行方――これまで・いま・これから」法学セミナー748号(2017.4)

浅倉むつ子・西原博史編著
『平等権と社会的排除』(成文堂、2017)
  •   西原博史「社会的排除と差別―剥奪センシティヴな人権理論に向けて」19-40頁
 
中西優美子
「OMT決定をめぐるドイツ連邦憲法裁判所とEU司法裁判所の対話の決着」自治研究93巻4号(2017年)99-110頁
 
三宅雄彦
「ドイツの憲法変動論:欧州統合と憲法変遷の関係を事例として」憲法問題27号(2017年)61-75頁
 
ルドルフ・スメント(三宅雄彦訳・解題)
「今日のドイツの憲法問題と科学(1934年)」法律時報89巻5号(2017年)104-117頁
 
山中倫太郎
【ドイツ憲法判例192】「緊急の在外国民救難のための軍隊出動と議会留保原則[連邦憲法裁判所第二法廷2015.9.23判決]自治研究93巻4号(2017年)151-160 頁  

2017年3月30日木曜日

4月8日(土):第236回研究会

日時:2016年4月8日(土) 14時
 
会場早稲田大学早稲田キャンパス8号館303教室
*第1土曜が4月1日のため2017年4月は例外的に第2土曜に開催します。
また、会場も専修大学ではなく早稲田大学です。ご注意ください。


報告者:斎藤一久(学芸大学)
 
報告判例:2016年10月18日の第1法廷第2部会決定(1 BvR 354/11)―保育園における保育者のイスラームスカーフ問題―
 
判例要旨
  1. 信仰・告白の自由(基本法4条1・2項)の基本権によって、公的主体の保育施設における教育者も、十分に納得し得る理由がある場合には、宗教上の衣服律(たとえばスカーフの着用)を守る自由が保障されている。
  2. 信仰・告白の自由の保護領域には、礼拝行為、そして宗教上の習慣の行使や遵守だけでなく、その他の宗教的・世界観的生活の表現形式も含まれている。自己の信仰の教義に行為全体を合わせ、その確信に従って行動し、すなわち信仰に導かれるままに生活する個々人の権利もここには含まれる。このことは命令的信仰律(imperative Glaubenssätze)だけに関係する訳ではない。
*研究会終了後、17時より、「戸波名誉代表古希&研究会発足25周年祝賀会」を「高田牧舎」にて開催いたします。戸波先生は4月9日に70歳のお誕生日をお迎えになられます。また、1992年4月に発足した本研究会は、本年4月をもって26年目の活動に入ります。
 
 つきましては、戸波先生の古希とともに、本研究会が25年間活動を続けてきたことの祝賀会を開きたく、ご案内申し上げます。祝賀会には栗城先生もご出席くださる予定です。また、日ごろのお礼の気持ちを表すために、本研究会がお世話になっている出版社(信山社、第一法規、尚学社)の皆さんもお招きいたします。
 
 ご出席くださる方は3月31日(金)までに月報でお知らせの通りメールでお申込みください。多数の会員の皆様のご出席をお待ちいたしております。
 
*なお、祝賀会の会費とともに2017年度の会費(2000円)の現金払いを受け付けます。会費の現金払いを希望される場合は、有職者の会員は会費とあわせて受付にてお支払いください。

クリップボード@月報第246号

朝倉むつ子・西原博史編著
『平等権と社会的排除――人権と差別禁止法理の過去・現在・未来』(成文堂、2017)

駒村圭吾編
『テクストとしての判決』(有斐閣、2016年)
  • 渡辺康行「憲法判例のなかの家族──尊属殺重罰規定違憲判決と婚外子法定相続分規定違憲決定」
  • 林知更「論拠としての『近代』──三菱樹脂事件」

高橋雅人
『多元的行政の憲法理論:ドイツにおける行政の民主的正当化論』(法律文化社、2017)
【ドイツ憲法判例190】「大学合併における学部と教授の学問の自由[ドイツ連邦憲法裁判所第一法廷2015.5.12決定] 」自治研究93巻3号(2017年)

ドイツ憲法判例研究会編(編集代表:嶋崎健太郎
『講座 憲法の規範力第5巻 憲法の規範力と行政』(信山社、2017)
  • 平松毅「法治国家論の展開―法の支配との共通の理念を踏まえて」
  • 三宅雄彦「行政裁量と憲法構造―スメント学派の国家委託と職務国家の理論』」
  • 高橋雅人「 憲法の民主主義原理と行政計画の『受容』」
  • 武市周作「行政に対する基本権上の保護請求権」
  • 神橋一彦「行政訴訟と基本権保護―『訴訟法の留保』は解消されるか」
  • 甲斐素直「『警察』概念と憲法」
  • 嶋崎健太郎「警察による意図的救助銃撃の憲法的統制―ドイツにおける警察法に対する憲法の規範力の一側面」
  • 藤井康博「国家に対峙する『個人』の尊厳からの協働原則批判―環境行政法への憲法の規範力」
  • カール=フリードリッヒ・レンツ「ドイツ再生可能エネルギー法の2016年改正でみる法律の留保の範囲」
  • 上代庸平「財政への憲法の規範力―『違憲な起債』の制約可能性を手がかりとして」
  • 杉原周治「青少年メディア保護州際協定における『規制された自主規制』―テレビ番組「I want a famous face」事件をめぐる2011年3月23日のバイエルン上級行政裁判所判決の分析を中心として」

玉蟲由樹
「性風俗営業と人間の尊厳」陶久利彦編著『性風俗と法秩序』(尚学社、2017)

 ディルク・エラース(松原光宏編訳)
『教会・基本権・公経済法』(中央大学出版会、2017.3.30)

ディートリッヒ・ムルスヴィーク(畑尻剛編訳)
『基本権・環境法・国際法』(中央大学出版会、2017.3.30)

2017年2月24日金曜日

3月4日(土):第235回研究会

日時:2017年3月4日(土) 14時
会場慶應義塾大学三田キャンパス大学院棟8階「東アジア研究所共同研究室1」
「大学院棟」は、以下のサイトに掲載されている「キャンパスマップ」8番の建物です。
 https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html
*専修大学の入試の関係で3月の会場は慶應義塾大学です。ご注意ください。

報告者:玉蟲由樹(日本大学)
報告判例:2016年7月26日の第1法定決定(1 BvL 8/15)
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2016/07/ls20160726_1bvl000815.html

判例要旨

  1. 本法2条2項1文からは,弁別能力のない被世話人について,重大な健康被害のおそれがある場合には,厳格な条件のもとで,自然意思(natürlicher Wille)に反してでも最終手段としての医療上の処遇を定める国家の保護義務が生じる。
  2. a)基本法100条1項にもとづく手続においては,移送対象は,裁判所が,その説得力をもって根拠づけられた確信からすれば具体的な憲法上の保護義務によって命じられているはずの形成が行われていない,と考える規範であってもよい。
    b)移送によって提起された憲法問題の解明に重要な客観的必要性がある場合には,主たる当事者の死亡によって原手続の終結があったとしても,移送は許容され続けうる。


クリップボード@月報第245号

石村修
『基本権の展開』(尚学社、2017)

泉徳治/渡辺康行・山元一・新村とわ
]『一歩前へ出る司法 泉徳治元最高裁判事に聞く』(日本評論社、2017)

日本法学82巻3号(2016.12)百地章教授古稀記念号「憲法と国家の諸相」
http://www.law.nihon-u.ac.jp/publication/law.html
甲斐素直「条約再論」
初宿正典「具体的規範統制手続の≪抽象性≫」
鈴木秀美「ドイツの民衆扇動罪と表現の自由」
小山剛「憲法改正と環境条項」

岡田俊幸
「ドイツ連邦憲法裁判所裁判官の選出手続の改革をめぐる議論について(2・完)」日本大学法科大学院法務研究第14号(2017年1月)1-34頁

神橋一彦
「憲法と行政法――行政法における基本権『侵害』の意義を中心に」現代行政法講座編集委員会編『現代行政法講座1 現代行政法の基礎理論』(日本評論社、2016)59-85頁

Tomoaki Kurishima, Gegenwärtige Diskussion über Artikel 9 der japanischen Verfassung – Die „Neuinterpretation“ als Rechtsproblem, in: ZJapanR / J.Japan.L. 42 (2016) 37–60.
論文概要について、http://www.zjapanr.de/index.php/zjapanr/article/view/1080参照

斎藤誠
「自治・分権と現代行政法」現代行政法講座編集委員会編『現代行政法講座1 現代行政法の基礎理論』(日本評論社、2016)293-329頁

中西優美子
“Completion of EU Measures Through Court Decisions: The Example of the Europan Arrest Warrant“, Hitotsubashi Journal of Law and Politics, Vol. 45, 2017, 13-21.
「EU欧州逮捕状枠組決定の実施と基本権の保障」自治研究92巻11号(2016)113-124頁
「EU欧州逮捕状の執行に関するアイデンティティコントロールの実施」自治研究93巻1号(2017)112-121頁 
「ドイツ連邦憲法裁判所のEUとカナダの自由貿易協定(CETA)の締結に関する仮命令」自治研究93巻2号(2017)84-95頁

棟居快行
「統治権としての司法権」専修大学法学研究所『公法の諸問題Ⅸ』(2017)

村西良太
【ドイツ憲法判例研究189】「現職閣僚による政党敵視発言と国家機関の政治的中立性[連邦憲法裁判所第二法廷2014.12.16判決]」自治研究93巻2号(2017年)146-154頁