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2018年7月5日木曜日

第249回研究会


日時:201877日(土) 14時~17
会場:日本大学法学部・水道橋キャンパス2号館4 241講堂(下記の地図参照)
報告者:玉蟲 由樹(日本大学)
報告判例:2018411日第一法廷決定 (1 BvR 3080/09)[一般平等原則の私法への照射効]
決定要旨:
1.      基本法31項からは,間接的第三者効力の諸原則にもとづいたとしても,私人間での法律関係が同条により原理的に平等に即して形成されるべきとの客観的な憲法原理は引き出されない。誰と,いかなる条件の下で契約を締結しようとするかを自己の選好にもとづいて決定することは,原則として個々人の自由である。法律上の静穏の保護とは相いれない行事が、他方で信仰および世界観の自由(基本法41項および2項)ないしは集会の自由(基本法81項)の保護範囲に含まれる諸事例に関しては、しかし、立法者は静穏を保護する不作為義務の例外の可能性を定めなければならない。
2.      しかし,特別な状況では私人間関係にとっての平等権からの要請が基本法31項を根拠に生じうる。たとえば,個々人が私人が自己の判断から個人の人柄などをとくに問題としないで大衆に開放しているイベントから私法上の管理権(Hausrecht)によって排除される場合や,この排除が当該個人にとってかなりの範囲で社会生活への参加を左右するような場合には,基本法31項は間接的第三者効力を展開する。主催者はこの場合,その決定権限を特定の個人を事実に即した理由もなしにこうしたイベントから排除するために行使してはならない。
3.      スタジアムへの入場禁止措置(Stadionverbot)は,犯罪の証明がなくとも,当該個人が将来的に騒乱を引き起こすという事実に裏打ちされた憂慮によって支持されることがある。当該個人は原則としてあらかじめ聴聞を受け,要求に応じて事前に理由を示される必要がある。

クリップボード@月報第259号


赤坂幸一「統治機構論探訪 15――議員特典再考」法セミ762号(20187月号)
*山本龍彦「制度的リアリズムの憲法学――赤坂幸一「統治機構論探訪」を読んで」

高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林知更・小島慎司・西村裕一
「戦後憲法学の70年を語る——高橋・高見憲法学との対話・4-2 第11回 憲法と政治」法律時報907号(2018.6

中西優美子「ドイツ基本法1011項の裁判を受ける権利と先決裁定手続付託」自治研究946 (2018.6108-118

桜井均、鈴木秀美、砂川浩慶、原真、岩崎貞明(メディア総研シンポジウムのまとめ)「『放送制度改革』を問う」放送レポート273号(2018.714-23

武市周作「憲法保障機関の正当性:連邦憲法擁護庁を中心に」東洋法学61 3号(2018.349-73

千國亮介「憲法解釈論の構造 (1)」総合政策19巻(2018.3101-115

山本和弘
「ドイツにおける国家の宗教的中立性の構造――憲法上の規範的根拠と解釈学上の効力」
早稲田法学会誌682号(2018.3397-452

古野豊秋
「ドイツ憲法判例研究(205) 別宅税事件[連邦憲法裁判所第一法廷第二部会2016.10.31決定]」自治研究 946号(2018.6151-156

石塚壮太郎
「ドイツ憲法判例研究(206) 連邦刑事庁による秘密裏の情報収集およびその利用・伝達に課される諸条件――連邦刑事庁法違憲判決[連邦憲法裁判所第一法廷2016.4.20判決]」自治研究947号(2018.7145-152

アンドレアス・フォスクーレ/トーマス・ヴィッシュマイヤー(畑尻剛土屋武訳)「ペーター・ヘーベルレ傘寿を祝して――コンテクスト主義の法理論(二)」自治研究 947号(2018.721-44

2018年5月27日日曜日

第248回研究会


日時:201862日(土) 14時~17時(予定)
会場:専修大学法科大学院棟3階「837教室」*同じフロアですが、いつもとは異なる部屋です。 
 報告者:棟久敬(秋田大学)
 報告判例:20161027日の決定(1 BvR 458/10)[バイエルン祝日法について]
 決定要旨:
1.       聖金曜日を法律上の祝日として承認することおよび特別な静穏の保護を伴う日とすること、そしてそれと結びついた基本権を制約する効果は、基本的には(dem Grunde nach)ワイマール憲法139条と結びついた基本法140条により正当化される。というのも、このことは、誰に内面上の態度を命ずるわけでもなく、ただ外面的な休息の枠を作り出すに過ぎないからである。
2.       法律上の静穏の保護とは相いれない行事が、他方で信仰および世界観の自由(基本法41項および2項)ないしは集会の自由(基本法81項)の保護範囲に含まれる諸事例に関しては、しかし、立法者は静穏を保護する不作為義務の例外の可能性を定めなければならない。

マティアス・イェシュテット教授講演会のお知らせ

 マティアス・イェシュテット教授(フライブルク大学)が、畑尻剛会員の招へいにより、中央大学比較法研究所のシンポジウムで講演されるため、7月22日から7月25日の予定で来日されます。中央大学でのシンポジウムは7月24日(火)に開催されます(詳細は以下の通り)。また、7月23日(月)に慶應義塾大学で開催される講演会の詳細も決まりました(以下の通り)。
 多くの大学は定期試験の時期ですが、両日とも、会員の皆様にはふるってご参加くださるようお願い申し上げます。

〇中央大学比較法研究所シンポジウム
講演テーマ:「フランスとの比較におけるドイツの憲法裁判」―連続講演「日独仏の憲法裁判」―

日時 : 7月24日(火)14時~17時
場所 : 中央大学理工学部後楽園キャンパス3号館3階3309号室
     (http://www.chuo-u.ac.jp/campusmap/kourakuen/)
懇親会: 17時30分(講演会場付近)
 ※参加方法については追ってお知らせいたします。

〇慶應義塾大学講演会
講演テーマ:「憲法理論、憲法社会学、憲法の間――憲法の規範力」(予定)
原題:Zwischen Verfassungstheorie, Verfassungssoziologie und Verfassungsrecht: Die normative Kraft der Verfassung
 *本年3月1日、ボッフム大学で開催されたコンラート・ヘッセ生誕100年を記念するシンポジウム「憲法の規範力」で行われた講演を慶大でもしていただく予定です(https://zrsweb.zrs.rub.de/lehrstuhl/krueper/normativekraft/)。

日時 : 7月23日(月)15時30分~17時30分
場所 : 慶應義塾大学三田キャンパス研究室棟7階745教室
     (https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html、キャンパスマップ10番の建物)
懇親会: 18時~(講演会場付近)
 ※参加方法については追ってお知らせいたします。

クリップボード@月報第258号

赤坂幸一「統治機構論探訪14――政治空間と法:議場構造の憲法学」法セミ761号(2018年6月号)

「小特集 オーストリア憲法の諸相」レファレンス805号(2018.2)
赤坂幸一「オーストリア連邦首相府憲法部の機能――ウィーン調査報告」
毛利透「オーストリア連邦首相府憲法部による政府提出法案の審査」

岡田俊幸「集会の自由とイベント文化」日本法学83巻3号(2017年12月)61頁
    「自由権審査と平等審査の関係」日本大学法科大学院法務研究15号(2018年1月)

宍戸常寿・音好宏・鈴木秀美・山本和彦「座談会:NHK受信料訴訟大法廷判決を受けて」ジュリスト1519号(2018.5)

「特集 議会制の現状と改革の方向性」法律時報90巻5号(2018.5)
村西良太「少数派・反対派・野党会派」
毛利透「参議院の存在意義」

三宅雄彦「国際憲法と国内憲法の相克――トリーペル覇権論の憲法的意義」法律時報90巻5号(2018.5)

小山剛「憲法訴訟の実践と理論(11)職業と資格──彫師に医師免許は必要か」判例時報2360号(2018年4月11日号)

棟居快行「憲法訴訟の実践と理論(12)──安保法制違憲国賠訴訟における抽象と具体の交錯──」判例時報2363号(2018年5月11日号)

「特集 再確認・憲法の基本」法学教室452号(2018年5月号)
村西良太「国会と内閣の権限配分」
小山剛「憲法上の権利の私人間効力」

松本和彦「司法修習生の給費制廃止違憲訴訟(名古屋地判平成29・12・20)」法学教室452号(2018年5月号)

石川健治「憲法を学問する:第1分科会『統治と行政』④」法学教室453号(2018年6月号)

松本和彦『事例問題から考える憲法』(有斐閣、2018年)

大林啓吾・柴田憲司編『憲法判例のエニグマ』(成文堂、2018年)
柴田憲司「言葉の違いの意味――『法律上の争訟』と『法律上の係争』は何が違うのか?」
     「主張適格の疑問――違憲主張の適格は問題になっているのか?」
西土彰一郎「技術の進歩に対する温度差――インターネットの存在をどうみるか?」
太田航平「行政裁量統制――委任の範囲を逸脱したかどうかを問う際に憲法的配慮はなされているのか?」
高橋和広「自己情報コントロール権のゆくえ――最高裁は自己情報コントロール権を認めているのか?」

浅川千尋・有馬めぐむ『動物保護入門――ドイツとギリシャに学ぶ共生の未来』(世界思想社、2018年)

斎藤誠「特別区長間接公選事件・再考――上告趣意書をめぐって」総務省編『地方自治法七十周年記念 自治論文集』(2018年)

鈴木秀美「受信料判決と放送法」Journalism2018年5月号60-67頁

ホルスト・ドライアー(押久保倫夫・当山紀博訳)「グスタフ・ラートブルフと『壁の射手』」東海法学55号(2018.3)169-214頁

武市周作「ドイツ憲法判例研究(203) 子の出自を知る権利:独立した出自の解明手続[連邦憲法裁判所第一法廷2016.4.19判決]」自治研究 94巻5号(2018.5)149-157頁

2018年5月16日水曜日

FdV Aktuell


 「公共放送の財源について合憲性が争われた日独の口頭弁論を傍聴して」

鈴木秀美

2018516日、連邦憲法裁判所において、放送負担金(Rundfunkbeitrag)についての憲法異議を審理するための口頭弁論が開かれました。私は事前に傍聴席を電子メールで予約し、この口頭弁論を傍聴しました。口頭弁論は、516日と17日の2日間で行われる予定でしたが、実際には16日だけで終了しました。ただし10時から始まり、何回かの休憩を経て、終了したのは19時少し前でした。
20131月から導入された放送負担金は、個人の場合は住居ごとに、事業所の場合は従業員数と車の保有台数を手がかりに額を算出して徴収されています。憲法異議では、「負担金」とは名ばかりで「税金」であり、その場合、州には立法権がないので現行法は違憲であるとの主張、また、何人で住んでいても、また一人で2つの住居を所有していても、住居ごとに同額の放送負担金を支払わなければならないのは不平等であり、また、レンタカー会社であっても一般企業と同じように車の保有台数で放送負担金の額が決まるのは不平等であるとの主張などがなされています。
口頭弁論では、憲法異議を申し立てた側および合憲性を主張する州政府・公共放送がそれぞれ見解を明らかにした後、キルヒホフ副長官や他の7人の裁判官から、合憲性を争っている両当事者に厳しい質問が次々と投げかけられ、関係者は自己の立場を懸命に主張していました。その模様は、Frankfurter Allgemeine Zeitungでも詳しく報じられています(http://www.faz.net/aktuell/politik/inland/rundfunkbeitrag-wird-vor-dem-bundesverfassungsgericht-verhandelt-15593618.html)。
財務省審議会のメンバーで鑑定人として口頭弁論に参加し、意見も述べたヴァルトホフ先生(フンボルト大学)に後から伺ったところによると、口頭弁論でどのような論点をどのような順番で取り上げるか、Gliederungは前もって知らされているものの、具体的に誰がどの順番で発言を求められるか等の詳しいことは知らされていなかったとのことでした。
日本では2017126日に最高裁大法廷がNHK受信料について合憲判決を下しました。私はそれに先立ち行われた口頭弁論も傍聴しましたが、最高裁の口頭弁論は、両当事者の弁護士が事前に提出した文書を読み上げただけで、1時間もかからずに終了しました。同じ口頭弁論とはいえ、日独の差は大きいと感じました。
ドイツの放送負担金の合憲性については、Abgabenrechtの問題であるためマージング裁判官ではなく、パウルス裁判官がBerichterstatterです。州政府・公共放送は、公共放送の財源のあり方についての立法裁量の問題として合憲性を主張しています。ドイツでは数か月以内に下される見込みの連邦憲法裁判所の判決に注目が集まっています。

2018年5月6日日曜日

5月11日(金):第247回研究会


日時:2018511日(金) 18時~20   *全国憲法研究会の前日
会場:専修大学法科大学院棟3階「835教室」
報告者:栗島智明(慶應大学大学院)
報告判例:2016217日の決定(BVerfGE 141, 143[NRW州の私立大学の認可について]
決定要旨:
基本法53項から導かれる学問の自由の基本権は、(高等教育の)学修課程の質を保証するために規準を定めることを原則として妨げるものではない。しかし立法者は、アクレディテーション(=適格認定)に関する本質的な決定を他のアクターに広範に委任してはならず、学問に固有の理性(Eigenrationalität)を踏まえつつ、自ら決定しなければならない。