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2019年3月5日火曜日

第255研究会


日時:201932日(土)14時~
場所:日本大学法学部4号館(地下)第4会議室A 
報告者:三宅雄彦(駒澤大学)
報告判例:2018612日の第2法廷判決(2 BvR 1738/12, 2 BvR 1395/13, 2 BvR 1068/14, 2 BvR 646/15
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2018/06/rs20180612_2bvr173812.html
決定要旨:
1.基本法9条3項の保護領域の人的範囲には、官吏も含まれる(判例集19巻303、312、322頁参照)。勿論、団結自由の基本権の保障に留保はないけれども、この基本権は、これと競合する第三者の基本権、及び憲法の位階を持つ他の権利により制限されうる。
2.a) 官吏のストライキ禁止は、基本法33条5項の意味における職業官僚制の本来的で伝来的な原則の一つである。この禁止は、伝来的原則として必要な条件である伝統性と実体性を充足している。
 b) 立法者は、職業官僚制の伝来的原則としての官吏のストライキ禁止を遵守しなければならない。この禁止は、官吏法上の扶養原理、誠実義務、終身原理、及び俸給を含む官吏法上の法関係の立法者による規律の原則、これらの諸原則と密接に結びついている。
3.a) 基本法の諸規定は国際法友好的に解釈しなければならない。欧州人権条約のテクスト及び欧州人権裁判所の判例は、憲法のレベルにおいて、基本法上の諸基本権及び法治国家的諸原理につき、その内容と射程を確定するための解釈上の補助手段として、用いられる(判例集74巻358、370頁、111巻307、317頁、128巻326、367-368頁。確定判例)。
 b) 条約加盟国は、それが当事者である全ての法的事件において欧州人権裁判所の終局判決に従うことを、欧州人権条約46条により義務づけられているが(判例集111巻307、320頁も参照)、この46条の適用領域以外でも欧州人権裁判所の判例は条約当事国を方向づけるのであり、その際、これを文脈化して当該事件の具体的諸状況を特に考慮しなければならない。この嚮導/方向づけ作用が特に強く働くときがあるが、それは、類似事例が条約加盟国の法秩序の妥当領域の中で言及されて、それ故に欧州人権裁判所の決定が該当する条約加盟国の(別の)手続が該当する場合である。
 c) 国際法友好的解釈は基本法により限界づけられる。条約友好的解釈が可能であるとしても、それは以下のときまでである。つまり、法律解釈及び憲法解釈として承認された方法からすれば、この条約友好的解釈がもはや合理的でないと思われるときである(判例集111巻307、329頁、128巻326、371頁参照)。ちなみに、基本法の条約友好的解釈の枠内にあるとしても、欧州人権裁判所の判決はできるだけ慎重に、分化した教義学を持つ既存の国内法秩序の中へと、組み込まねばならない。
4.ドイツにおける官吏のストライキ禁止は、基本法上の国際法友好性の原則と一致し、且つ、特に欧州人権条約の諸々の保障と合致する。欧州人権裁判所の判例を考慮した場合にも、ドイツ法と欧州人権条約11条の間に衝突状況があると確認することはできない。

クリップボード@月報第265号

赤坂幸一「統治機構論探訪 22――最高裁判例の形成過程(5)」法セミ769号(2019年2月号)

赤坂幸一「日本国憲法のアイデンティティ 第4回 公権力の透明性と理由提示」論究ジュリスト(2018年秋号)139-150頁

鈴木秀美「『開かれた新聞』委員会 座談会 激動の平成 どう総括、新しい時代 どう対応」毎日新聞(東京朝刊)2019年1月4日8-9面

土屋武「ドイツ憲法判例研究(212) NPD違憲確認訴訟[連邦憲法裁判所第二法廷2017.1.17判決]」自治研究95巻1号(2019.1)137-148頁

カール・フリードリヒ・レンツ「ドイツ憲法判例研究(213) 原発燃料税法に関する違憲決定[連邦憲法裁判所第二法廷2017.4.13決定]」自治研究95巻2号(2019.2)145-152頁

藤野美都子・佐藤信行編『憲法理論の再構築 植野妙実子先生古稀記念論文集』(敬文堂、2019年)
加藤一彦「ナチス憲法としての授権法――1933年授権法の悪魔的効能」
畑尻剛「ラインの右岸と左岸の憲法裁判所――M.イェシュテット教授の講演を素材に」
工藤達朗「憲法の自殺?――主権委譲の可能性をめぐって」

2019年1月9日水曜日

第254回研究会

日時:2019年1月12日(土)14~17時
   *第2土曜日に開催します。会場も日本大学法学部です。
場所:日本大学法学部本館145講堂(以下のキャンパスマップ参照)
https://www.law.nihon-u.ac.jp/campusmap.html
報告者:村山美樹(桐蔭横浜大学非常勤講師)
報告判例:2014年10月22日の第2法廷決定(BVerfGE 137, 273)   https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2014/10/rs20141022_2bvr066112.html
決定要旨:
1.  信仰の自由の保護領域と編入されたワイマール憲法の条項とが重なる場合、すべての人に適用される法律の制約に、宗教団体の自己決定権が服する限りにおいて、ワイマール憲法137条3項と結びついた基本法140条は、基本法4条1項および2項の特別規範として優位する(いわゆる制約の特殊性)。ただし、国家の裁判所によるすべての人に適用される法律の適用に際して、対抗する諸利益の調整がなされる場合、基本法4条1項および2項は集団の宗教の自由を留保なしに保障していること、その限りで宗教団体の自己決定権および自己理解には特別のウェイトが付与されていることが考慮されなければならない。
2.  教会の自己理解の意味における、働きの宗教的側面の確保、および、教会の基本的任務に直接的な関連性をもつ活動の維持に資するあらゆる措置を、教会の自己決定権は包括している。教会の属性の形成は、もっぱら教会に義務付けられており、かつ、集団の宗教の自由の構成要素として、基本法4条1項および2項を通じて実定憲法上保護されている。
3.  国家の裁判所は、説得性のコントロールの範囲において、信仰を定義づけた組織的教会の自己理解を基礎に、教会の基本的任務の実現にある組織およびある制度が関与しているか否か、ある一定の忠誠義務が教会の信仰規則に明らかとなっているか否か、教会の自己理解によればどれほどのウェイトがこの忠誠義務、および、この忠誠義務に対する違反に置かれているかを審査しなければならない。次いで、「すべての人に適用される法律」の制約の観点のもとに、あらゆる衡量が施されなければならない。この衡量のなかでは、−−教会の自己決定権に照らして理解される—教会の利益および集団の宗教の自由と、当事者の被雇用者の基本権、および、一般的労働法の保護規定に含まれる当該被雇用者の利益とが調整されなければならない。その際、衝突する法的地位は、可能な限り高い程度において実現されなくてはならない。

クリップボード@月報第264号

赤坂幸一「統治機構論探訪 21――最高裁判例の形成過程(4)」法セミ768号(2019年1月号)

法学セミ768号 特集《放送とは何か》
・鈴木秀美「放送制度の仕組み」
・西土彰一郎「制度的自由としての放送の自由」 
・浜田純一「放送における自由と倫理」

栗城壽夫「ヘルマン・ヘラーにおける憲法の規範力(2)~(3)、(5)~(9)」名城ロースクール・レビュー36号(2016.4)39-71頁、37号(2016.8)1-32頁、38号(2017.1)23-35頁、39号(2017.4)59-63頁、40号(2017.8)45-65頁、43号(2018.8)17‐33頁、44号(2019.1)
栗城壽夫「ヘルマン・ヘラーの憲法概念」名城法学66巻1・2合併号(2016.12)25-63頁

MUNESUE, Toshiyuki, Verfassungsrecht und Wirtschaftsordnung, 専修大学ロージャーナル14号(2018年12月)1-25頁

石村修「緊急事態への憲法的対処方法―自然災害と向き合う憲法」専修大学ロージャーナル14号(2018年12月)

国際人権29号(2018.11)
・中西優美子「EU庇護制度のための一時的措置の合法性」
・實原隆志「会社のアカウントの私的使用を理由とした契約打切りに対する締約国の保護義務――バルブレスク対ルーマニア事件(ヨーロッパ人権裁判所(大法廷)2017年9月5日判決)」


長谷部恭男・山口いつ子・宍戸常寿編『メディア判例百選〔第2版〕』(有斐閣、2018年)
・小山 剛 「1  取材源の秘匿と主事の自由」
・工藤達朗 「6  報道の自由と公正な裁判」
・渡辺康行 「10 取材への応答拒否」
・神橋一彦 「14 意思形成過程情報と情報公開」
・林 知更 「44 行政による個人情報の管理・利用の合憲性」
・實原隆志 「47 少年の仮名報道と少年法61条」
・近藤 敦 「51 外国人氏名の日本語読みと人格権」
・笹田栄司 「61 書籍等の輸入と税関検査」
・棟居快行 「74 プライバシー権を理由とするモデル小説の事前差止め」
・鈴木秀美 「81 モデル小説と名誉棄損」
・斎藤一久 「85 教科書検定と出版の自由」
・丸山敦裕 「90 テレビ番組の取材対象者に対する名誉棄損」
・西土彰一郎「110 パソコン通信上の名誉棄損とシスオペの削除義務」

斎藤一久・堀口悟郎『図録 日本国憲法』(弘文堂、2018年)
・斎藤一久「憲法とは何か」、「天皇」
・石塚壮太郎「学問の自由と大学の自治」、「憲法改正」

赤坂正浩「ドイツ憲法判例研究(211) 『第三の性』決定――インターセクシュアルの性別登録と一般的人格権・平等権[連邦憲法裁判所第1法廷2017.10.10決定]」自治研究94巻12号(2018.12)144-152頁

【追加】
赤坂幸一「日本国憲法のアイデンティティ 第4回 公権力の透明性と理由提示」論究ジュリスト(2018年秋号)139-150頁

Yuri Matsubara, Transparenz in Steuersachen in Japan, ZJAPANR, Bd. 23 Nr. 46 (2018), 181

2018年12月6日木曜日

第253回研究会

日時:2018年12月8日(土)15時~ *第2土曜日に開催します。
場所:慶應義塾大学三田キャンパス1号館105教室
   http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html キャンパスマップ⑨の建物
報告者:新井貴大(慶應義塾大学大学院)
報告判例:2018年3月21日の第一法廷決定(1 BvF 1/13)
     [官庁による消費者への情報提供と職業の自由]
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2018/03/fs20180321_1bvf000113.html
決定要旨:
1. 国家による情報提供活動は、目標設定および間接的・事実上の作用の点で職業の自由に対する介入に機能的等価物(funktionales Äquivalent)として匹敵する場合、基本法12条1項に照らして判断されねばならない。官庁の情報は次の場合に少なくとも職業の自由に対する介入に匹敵する。すなわち、官庁の情報が意図的に(zweckgerichtet)消費決定の基盤に対して影響を与え、当該事業者にとって不利益となるように市場および競争の状況を変更することによって、具体的な個々の事業者の市場条件を直接に標的とする場合である。
2. ある事業者が食品法または飼料法の諸規定に違反した場合、その法律違反が健康への危険を伴わない場合であっても、職業の自由によって保護される事業者の利益は、公衆へと情報提供を行う利益に劣後しうる。もっとも、消費に関連する法律違反についての官庁によるインターネット上の個別の情報は、法律の定めにより期限が付されなければならない。
3. 連邦憲法裁判所は、国内法が基本法に適合するか否かを、当該法律が同時にEU二次法に適合しているか疑いのある場合であっても審査する。

クリップボード@月報第263号

赤坂幸一「統治機構論探訪 19――最高裁判例の形成過程(3)」法セミ767号(2018年12月号)

小山剛「国家論の時代への惜別?―林知更『現代憲法学の位相―国家論・デモクラシー・立憲主義』」憲法研究3号

近藤敦「持続可能な多文化共生社会に向けた移民統合政策 (特集 移民社会への覚悟)」世界915号(2018年12月号)(2018.11)77-85頁

カール=フリードリッヒ・レンツ「ドイツ・EU法から見た技術的特異点(Singularity)」青山法務研究論集第16号(2018.10)1頁

棟久敬「憲法の前提としての宗教?――公法上の社団たる要件に関する検討を素材として」宗教法37号(2018年11月)25頁

棟久敬「ドイツ憲法判例研究(210) 法律上保護された祝日に反対する世界観団体による世界観・集会の自由[連邦憲法裁判所第一法廷2016.10.27決定]」自治研究94巻11号(2018.11)149-156頁

ドイツ憲法判例研究会編(鈴木秀美畑尻剛宮地基編集代表)『ドイツの憲法判例 Ⅳ』(信山社、2018年)

・はしがき〔鈴木秀美〕
・制度とその運用―手続の概観〔畑尻剛〕

1. 終身自由刑の仮釈放と人間の尊厳・人身の自由(BVerfGE117,71)〔2006〕〔柴田憲司〕
2. 裁判官の法形成の限界と法解釈方法―三分割法事件―(BVerfGE128,193)〔2011〕〔川又伸彦〕
3. 接続データVerbindungsdatenの保護(BVerfGE115,166)〔2006〕〔西土彰一郎〕
4. ラスター捜査事件(BVerfGE115,320)〔2006〕〔宮地基〕
5. レーゲンスブルク監視カメラ決定(BVerfGK10,330)〔2007〕〔小山剛〕
6. 開設されている口座に関する基本データの憲法上の保護(BVerfGE118,168)〔2007〕〔實原隆志〕
7. ドイツ版「Nシステム」の合憲性(BVerfGE120,378)〔2008〕〔實原隆志〕
8. 情報機関・警察の情報共有と情報自己決定権―テロ対策データファイル法判決―(BVerfGE133,277)〔2013〕〔入井凡乃〕
9. コンピュータ基本権―オンライン監視事件―(BVerfGE120,274)〔2008〕〔石村修〕
10. 子の出自を知る父親の権利(BVerfGE117,202)〔2007〕〔玉蟲由樹〕
11. 血縁の兄弟姉妹間の近親相姦罪の合憲性―近親相姦罪決定―(BVerfGE120,224)〔2008〕〔武市周作〕
12. トランスセクシャルである在留外国人の名の変更・性別変更と平等原則(BVerfGE116,243)〔2006〕〔門田孝〕
13. 性転換法による婚姻解消要件と一般的人格権・婚姻の保護―第5次性転換決定―(BVerfGE121,175)〔2008〕〔春名麻季〕
14. 性同一性障害者に戸籍法上の登録要件として外科手術を求める規定の違憲性(BVerfGE128,109)〔2011〕〔平松毅〕
15. 婚姻の際の多重氏阻止規定の合憲性―多重氏判決―(BVerfGE123,90)〔2009〕〔根森健〕
16. 航空安全法判決(BVerfGE115,118)〔2006〕〔嶋崎健太郎〕
17. 保安処分執行中の強制治療(BVerfGE128,282)〔2011〕〔宮地基〕
18. 保安拘禁に関する規定の遡及適用(BVerfGE128,326)〔2011〕〔宮地基〕
19. 委託発注法と司法付与請求権(BVerfGE116,135)〔2006〕〔太田航平〕
20. 相続・贈与税法と平等原則―統一価格Ⅲ決定―(BVerfGE117,1)〔2006〕〔甲斐素直〕
21. 営業税と一般的平等原則―営業税法2条1項2文および所得税法15条3項1号の合憲性―(BVerfGE120,1)〔2008〕〔高田倫子〕
22. 首尾一貫性の要請と平等原則―通勤費税額概算控除判決―(BVerfGE122,210)〔2008〕〔松本和彦〕
23. 遺族扶助における生活パートナーの排除と一般的平等原則(BVerfGE124,199)〔2009〕〔井上典之〕
24. 生活パートナーシップ関係の下での継養子の可否(BVerfGE133,59)〔2013〕〔春名麻季〕
25. 配偶者分割課税と登録生活パートナーに対する差別(BVerfGE133,377)〔2013〕〔松原光宏〕
26. 育児手当における外国人除外条項の合憲性―バイエルン州育児手当事件―(BVerfGE130,240)〔2012〕〔難波岳穂〕
27. 親手当法の外国人受給除外規定の違憲性―「外国人に対する親手当」決定―(BVerfGE132,72)〔2012〕〔根森健〕
28. 憲法擁護庁報告とプレスの自由―ユンゲ・フライハイト決定―(BVerfGE113,63)〔2005〕〔斎藤一久〕
29. 一般的法律の留保とその例外―ヴンジーデル決定―(BVerfGE124,300)〔2009〕〔土屋武〕
30. 有名人の私生活と写真報道の自由―カロリーヌ第3事件―(BVerfGE120,180)〔2008〕〔鈴木秀美〕
31. 公務員による秘密漏洩と取材源秘匿権―キケロ判決―(BVerfGE117,244)〔2007〕〔鈴木秀美〕
32. 法廷でのテレビカメラ取材制限と放送の自由(BVerfGE119,309)〔2007〕〔鈴木秀美〕
33. 放送受信料確定手続と放送の自由―第2次放送受信料判決―(BVerfGE119,181)〔2007〕〔杉原周治〕
34. 芸術の自由と人格権―エスラ決定―(BVerfGE119,1)〔2007〕〔上村都〕
35. 信仰からの離脱を理由とする神学部の大学教員の配置換えの合憲性―リューデマン決定―(BVerfGE122,89)〔2008〕〔千國亮介〕
36. 遺伝子工学法の合憲性(BVerfGE128,1)〔2010〕〔玉蟲由樹〕
37. 集会の自由とラントによる集会規制立法―2008年バイエルン集会法の一部を停止する仮命令―(BVerfGE122,342)〔2009〕〔大森貴弘〕
38. フランクフルト飛行場における集会・デモ規制―フラポート判決―(BVerfGE128,226)〔2011〕〔石村修〕
39. 少年行刑の特殊性に即した法律の根拠の必要性(BVerfGE116,69)〔2006〕〔丸山敦裕〕
40. プロバイダのメールサーバ上にある電子メールの差押と通信の秘密(BVerfGE124,43)〔2009〕〔宮地基〕
41. 通信履歴保存義務と通信の秘密(BVerfGE125,260)〔2010〕〔カール=フリードリッヒ・レンツ〕
42. 通信サービスの利用者データの保存義務と「アクセス・コード」の提供義務の合憲性(BVerfGE130,151)〔2012〕〔實原隆志〕
43. 弁護士の成功報酬の禁止(BVerfGE117,163)〔2006〕〔神橋一彦〕
44. 装蹄法による職業規制の合憲性(BVerfGE119,59)〔2007〕〔赤坂正浩〕
45. 受動喫煙からの保護と飲食店での喫煙規制―禁煙法判決―(BVerfGE121,317)〔2008〕〔井上典之〕
46. 公証人の職業の自由と国家の監督責任(BVerfGE131,130)〔2012〕〔高橋雅人〕
47. 所得税・営業税と「五公五民原則」(BVerfGE115,97)〔2006〕〔畑尻剛〕
48. 年金制度に編入されたドイツ系帰還民(アウスジードラー)の年金額削減と年金期待権(BVerfGE116,96)〔2006〕〔浮田徹〕
49. EU域内の法人の基本法上の基本権享有主体性―ル・コルビュジェ決定―(BVerfGE129,78)〔2011〕〔兼平麻渚生〕
50. 法規命令に対する実効的権利保護の保障と憲法異議の補充性―栽培植物調整支払金事件―(BVerfGE115,81)〔2006〕〔石塚壮太郎〕
51. 国家目標規定と動物保護委員会(審議会)意見聴取手続―産卵鶏飼育の命令違憲決定―(BVerfGE127,293)〔2010〕〔藤井康博〕
52. 法案審議合同協議会の権限の範囲(BVerfGE120,56)〔2008〕〔赤坂幸一〕
53. 人間の尊厳と最低限度の生活の保障―ハルツⅣ(HartzⅣ)判決―(BVerfGE125,175)〔2010〕〔工藤達朗〕
54. 庇護申請者の生活保護に関する違憲判決(BVerfGE132,134)〔2012〕〔大西楠・テア〕
55. 責問制限禁止原則の放棄と裁判官による法発見の限界(BVerfGE122,248)〔2009〕〔玉蟲由樹〕
56. 租税法規の遡及効と信頼保護原則(BVerfGE127,1)〔2010〕〔松原有里〕
57. 違法収集個人情報の刑事裁判における証拠利用(BVerfGE130,1)〔2011〕〔押久保倫夫〕
58. 官吏恩給法の法律解釈の遡及的変更(BVerfGE131,20)〔2012〕〔三宅雄彦〕
59. 欧州議会選挙法の阻止条項に関する選挙審査抗告―5%阻止条項事件―(BVerfGE129,300)〔2011〕〔彼谷環〕
60. SolangeⅡ決定と指令の国内実施法律―排出量取引事件―(BVerfGE118,79)〔2007〕〔中西優美子〕
61. 欧州統合とドイツ基本法―リスボン条約判決―(BVerfGE123,267)〔2009〕〔門田孝〕
62. ドイツ連邦憲法裁判所によるEU機関の行為に対する権限踰越コントロール―Honeywell事件―(BVerfGE126,286)〔2010〕〔中西優美子〕
63. EU法の国内実施法律に関する連邦憲法裁判所への移送と欧州司法裁判所への付託(BVerfGE129,186)〔2011〕〔兼平麻渚生〕
64. 欧州安定制度に関する仮処分判決(BVerfGE132,195)〔2012〕〔カール=フリードリッヒ・レンツ〕
65. トルコ上空AWACS偵察飛行への派兵と議会留保(BVerfGE121,135)〔2008〕〔村西良太〕
66. ゲマインデの営業税賦課率決定と自治体財政権(BVerfGE125,141)〔2010〕〔上代庸平〕
67. 待機期間延長による官吏恩給の減額(BVerfGE117,372)〔2007〕〔三宅雄彦〕
68. 司法精神科病院の民営化の許容性(BVerfGE130,76)〔2012〕〔高橋雅人〕
69. ヘッセン州教授給与違憲判決事件(BVerfGE130,263)〔2012〕〔松原光宏〕
70. ドイツ連邦議会議員法2005年改正の合憲性―議員職の中心化規律と副業・副収入の透明性規律―(BVerfGE118,277)〔2007〕〔前硲大志〕
71. 連邦議会解散後における選挙審査抗告の可否(BVerfGE122,304)〔2009〕〔森保憲〕
72. 連邦議会選挙におけるコンピューター制御の投票機導入の違憲性(BVerfGE123,39)〔2009〕〔浮田徹〕
73. 追加選挙と本選挙の暫定的な選挙結果公表による情報格差の合憲性(BVerfGE124,1)〔2009〕〔大岩慎太郎〕
74. 諜報部局による連邦議会議員の情報収集についての議員の質問権(BVerfGE124,161)〔2009〕〔毛利透〕
75. 人口比例に基づく議席配分規定の合憲性―選挙区割りにおける未成年者(ドイツ人非有権者)の算入―(BVerfGE130,212)〔2012〕〔永田秀樹〕
76. 議員の委員会審議参与権(BVerfGE130,318)〔2012〕〔棟居快行〕
77. 在外ドイツ人の選挙権制限の違憲性(BVerfGE132,39)〔2012〕〔林知更〕
78. 議席配分規定における「負の投票価値」の効果と超過議席―連邦選挙法6条1項一部違憲無効判決―(BVerfGE131,316)〔2012〕〔土屋武〕
79. 連邦議会調査委員会による情報提出要請の連邦政府による拒否の合憲性―連邦情報局(BND)調査委員会事件―(BVerfGE124,78)〔2009〕〔柴田尭史〕
80. トーネード偵察機アフガニスタン派遣と連邦議会(BVerfGE118,244)〔2007〕〔水島朝穂〕
81. テロ攻撃撃退のための軍隊出動についての合同部決定―「航空安全法」合同部決定―(BVerfGE132,1)〔2012〕〔小野寺邦広〕
82. 連邦憲法裁判所裁判官の間接選出の合憲性(BVerfGE131,230)〔2012〕〔岡田俊幸〕
83. ラント間財政調整における連邦財政原理(BVerfGE116,327)〔2006〕〔上代庸平〕
84. 日曜・祝日の保護―ベルリン・アドヴェント日曜日判決―(BVerfGE125,39)〔2009〕〔武市周作〕

〔附録〕
・基本用語集〔川又伸彦・高橋雅人・上代庸平・土屋武・千國亮介・高田倫子・兼平麻渚生〕
・連邦憲法裁判所関係文献〔畑尻剛・土屋武〕
・連邦憲法裁判所裁判官一覧表および変遷表〔川又伸彦〕
・連邦憲法裁判所の事案受理件数一覧表(1951年~2017年)〔川又伸彦〕
・連邦憲法裁判所の事案処理件数一覧表(1951年~2017年)〔川又伸彦〕
・現代ドイツ公法学者系譜図(Ⅰ~Ⅳ)〔資料提供NomosVerlag〕
・ドイツの裁判権と出訴経路の概観図〔編集委員会〕
・連邦首相の選任手続〔宮村教平〕
・立法過程の概観〔服部高宏〕
〔索引〕
・判例索引〔土屋武・高橋雅人・鈴木秀美〕
・基本法条文索引〔斎藤一久・松本奈津希・村山美樹・山本和弘〕
・邦語事項索引〔斎藤一久・松本奈津希・村山美樹・山本和弘〕
・独語事項索引〔斎藤一久・松本奈津希・村山美樹・山本和弘〕

2018年10月28日日曜日

第252回研究会

日時:2018年11月3日(土) 14時~17時
会場:専修大学法科大学院棟3階 835教室
報告者:吉岡万季(中央大学大学院)
報告判例:2013年12月17日の第1法廷決定 (BVerfGE 135, 48) [官庁による父子関係の否認]
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2013/12/ls20131217_1bvl000610.htm
決定要旨:
1.    官庁による父子関係の否認(behördlichen Vaterschaftsanfechtung)に関する規律(BGB1600条1項5号)は、絶対的に禁止された国籍の剥奪(基本法16条1項1文)とみなされる。なぜなら、当事者は、官庁による否認(Behördenanfechtung)と結びついた国籍の消滅(Wegfall)に一部は全く、一部は期待できる手段では影響を及ぼすことができないからである。
2.    当該規律は、その他の国籍の喪失(sonstigen Verlust)についての憲法上の要請(基本法16条1項2文)を満たしていない。なぜなら同規律は、子が無国籍になるか否かを顧慮する可能性を欠き、かつ法律の留保原則を満たす国籍の喪失の規律および相当な(angemessenen)期間と年齢に関する規律を欠いているためである。
3.    認知をした者が子どもの生物学上の父でもなく、また社会的-家族的関係も成立していない場合でも、認知により法律上の父子関係が成立した場合には、憲法上の親子関係(基本法6条2項1文)が存在する。もっとも、憲法上の保護の強度は、法律上の父子関係が社会的にも維持されているか否かに左右される。