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2018年5月27日日曜日

第248回研究会


日時:201862日(土) 14時~17時(予定)
会場:専修大学法科大学院棟3階「837教室」*同じフロアですが、いつもとは異なる部屋です。 
 報告者:棟久敬(秋田大学)
 報告判例:20161027日の決定(1 BvR 458/10)[バイエルン祝日法について]
 決定要旨:
1.       聖金曜日を法律上の祝日として承認することおよび特別な静穏の保護を伴う日とすること、そしてそれと結びついた基本権を制約する効果は、基本的には(dem Grunde nach)ワイマール憲法139条と結びついた基本法140条により正当化される。というのも、このことは、誰に内面上の態度を命ずるわけでもなく、ただ外面的な休息の枠を作り出すに過ぎないからである。
2.       法律上の静穏の保護とは相いれない行事が、他方で信仰および世界観の自由(基本法41項および2項)ないしは集会の自由(基本法81項)の保護範囲に含まれる諸事例に関しては、しかし、立法者は静穏を保護する不作為義務の例外の可能性を定めなければならない。

マティアス・イェシュテット教授講演会のお知らせ

 マティアス・イェシュテット教授(フライブルク大学)が、畑尻剛会員の招へいにより、中央大学比較法研究所のシンポジウムで講演されるため、7月22日から7月25日の予定で来日されることになりました。中央大学でのシンポジウムは7月24日(火)に開催される予定です(詳細は以下の通り)。
 また、この機会にイェシュテット先生は、7月23日(月)に慶應義塾大学でも講演してくださる予定です。慶應でのご講演の詳細については、改めてお知らせいたします。両日とも、会員の皆様にはふるってご参加くださるようお願い申し上げます。

講演テーマ:「フランスとの比較におけるドイツの憲法裁判」
      ――連続講演「日独仏の憲法裁判」――
日時 : 7月24日(火曜日)午後2時~5時
場所 : 中央大学理工学部後楽園キャンパス3号館3階3309号室
懇親会: 午後5時30分(講演会場付近)
      *参加方法については追ってお知らせいたします。

クリップボード@月報第258号

赤坂幸一「統治機構論探訪14――政治空間と法:議場構造の憲法学」法セミ761号(2018年6月号)

「小特集 オーストリア憲法の諸相」レファレンス805号(2018.2)
赤坂幸一「オーストリア連邦首相府憲法部の機能――ウィーン調査報告」
毛利透「オーストリア連邦首相府憲法部による政府提出法案の審査」

岡田俊幸「集会の自由とイベント文化」日本法学83巻3号(2017年12月)61頁
    「自由権審査と平等審査の関係」日本大学法科大学院法務研究15号(2018年1月)

宍戸常寿・音好宏・鈴木秀美・山本和彦「座談会:NHK受信料訴訟大法廷判決を受けて」ジュリスト1519号(2018.5)

「特集 議会制の現状と改革の方向性」法律時報90巻5号(2018.5)
村西良太「少数派・反対派・野党会派」
毛利透「参議院の存在意義」

三宅雄彦「国際憲法と国内憲法の相克――トリーペル覇権論の憲法的意義」法律時報90巻5号(2018.5)

小山剛「憲法訴訟の実践と理論(11)職業と資格──彫師に医師免許は必要か」判例時報2360号(2018年4月11日号)

棟居快行「憲法訴訟の実践と理論(12)──安保法制違憲国賠訴訟における抽象と具体の交錯──」判例時報2363号(2018年5月11日号)

「特集 再確認・憲法の基本」法学教室452号(2018年5月号)
村西良太「国会と内閣の権限配分」
小山剛「憲法上の権利の私人間効力」

松本和彦「司法修習生の給費制廃止違憲訴訟(名古屋地判平成29・12・20)」法学教室452号(2018年5月号)

石川健治「憲法を学問する:第1分科会『統治と行政』④」法学教室453号(2018年6月号)

松本和彦『事例問題から考える憲法』(有斐閣、2018年)

大林啓吾・柴田憲司編『憲法判例のエニグマ』(成文堂、2018年)
柴田憲司「言葉の違いの意味――『法律上の争訟』と『法律上の係争』は何が違うのか?」
     「主張適格の疑問――違憲主張の適格は問題になっているのか?」
西土彰一郎「技術の進歩に対する温度差――インターネットの存在をどうみるか?」
太田航平「行政裁量統制――委任の範囲を逸脱したかどうかを問う際に憲法的配慮はなされているのか?」
高橋和広「自己情報コントロール権のゆくえ――最高裁は自己情報コントロール権を認めているのか?」

浅川千尋・有馬めぐむ『動物保護入門――ドイツとギリシャに学ぶ共生の未来』(世界思想社、2018年)

斎藤誠「特別区長間接公選事件・再考――上告趣意書をめぐって」総務省編『地方自治法七十周年記念 自治論文集』(2018年)

鈴木秀美「受信料判決と放送法」Journalism2018年5月号60-67頁

ホルスト・ドライアー(押久保倫夫・当山紀博訳)「グスタフ・ラートブルフと『壁の射手』」東海法学55号(2018.3)169-214頁

武市周作「ドイツ憲法判例研究(203) 子の出自を知る権利:独立した出自の解明手続[連邦憲法裁判所第一法廷2016.4.19判決]」自治研究 94巻5号(2018.5)149-157頁

2018年5月16日水曜日

FdV Aktuell


 「公共放送の財源について合憲性が争われた日独の口頭弁論を傍聴して」

鈴木秀美

2018516日、連邦憲法裁判所において、放送負担金(Rundfunkbeitrag)についての憲法異議を審理するための口頭弁論が開かれました。私は事前に傍聴席を電子メールで予約し、この口頭弁論を傍聴しました。口頭弁論は、516日と17日の2日間で行われる予定でしたが、実際には16日だけで終了しました。ただし10時から始まり、何回かの休憩を経て、終了したのは19時少し前でした。
20131月から導入された放送負担金は、個人の場合は住居ごとに、事業所の場合は従業員数と車の保有台数を手がかりに額を算出して徴収されています。憲法異議では、「負担金」とは名ばかりで「税金」であり、その場合、州には立法権がないので現行法は違憲であるとの主張、また、何人で住んでいても、また一人で2つの住居を所有していても、住居ごとに同額の放送負担金を支払わなければならないのは不平等であり、また、レンタカー会社であっても一般企業と同じように車の保有台数で放送負担金の額が決まるのは不平等であるとの主張などがなされています。
口頭弁論では、憲法異議を申し立てた側および合憲性を主張する州政府・公共放送がそれぞれ見解を明らかにした後、キルヒホフ副長官や他の7人の裁判官から、合憲性を争っている両当事者に厳しい質問が次々と投げかけられ、関係者は自己の立場を懸命に主張していました。その模様は、Frankfurter Allgemeine Zeitungでも詳しく報じられています(http://www.faz.net/aktuell/politik/inland/rundfunkbeitrag-wird-vor-dem-bundesverfassungsgericht-verhandelt-15593618.html)。
財務省審議会のメンバーで鑑定人として口頭弁論に参加し、意見も述べたヴァルトホフ先生(フンボルト大学)に後から伺ったところによると、口頭弁論でどのような論点をどのような順番で取り上げるか、Gliederungは前もって知らされているものの、具体的に誰がどの順番で発言を求められるか等の詳しいことは知らされていなかったとのことでした。
日本では2017126日に最高裁大法廷がNHK受信料について合憲判決を下しました。私はそれに先立ち行われた口頭弁論も傍聴しましたが、最高裁の口頭弁論は、両当事者の弁護士が事前に提出した文書を読み上げただけで、1時間もかからずに終了しました。同じ口頭弁論とはいえ、日独の差は大きいと感じました。
ドイツの放送負担金の合憲性については、Abgabenrechtの問題であるためマージング裁判官ではなく、パウルス裁判官がBerichterstatterです。州政府・公共放送は、公共放送の財源のあり方についての立法裁量の問題として合憲性を主張しています。ドイツでは数か月以内に下される見込みの連邦憲法裁判所の判決に注目が集まっています。

2018年5月6日日曜日

5月11日(金):第247回研究会


日時:2018511日(金) 18時~20   *全国憲法研究会の前日
会場:専修大学法科大学院棟3階「835教室」
報告者:栗島智明(慶應大学大学院)
報告判例:2016217日の決定(BVerfGE 141, 143[NRW州の私立大学の認可について]
決定要旨:
基本法53項から導かれる学問の自由の基本権は、(高等教育の)学修課程の質を保証するために規準を定めることを原則として妨げるものではない。しかし立法者は、アクレディテーション(=適格認定)に関する本質的な決定を他のアクターに広範に委任してはならず、学問に固有の理性(Eigenrationalität)を踏まえつつ、自ら決定しなければならない。

クリップボード@月報第257号


赤坂幸一
「統治機構論探訪13――術(アルス)としての裁判」法セミ760号(20185月号)

宮島喬・木畑洋一・小川有美編『ヨーロッパ・デモクラシー――危機と転換』(岩波書店、2018年)
大西楠テア「難民危機後のドイツ・デモクラシー――民主的正当性と連邦憲法裁判所」25-49

論究ジュリスト25号(2018年春号)
【特集】メディアと憲法
玉蟲由樹「取材源秘匿の現在」
・西土彰一郎「公共放送の財源――NHK受信料訴訟大法廷判決をうけて」
・鈴木秀美「公正な刑事司法 vs. 公正な民事司法──取材資料の目的外利用の禁止と取材の自由」
・浜田純一「メディアの自由・自律と第三者機関」

初宿正典訳『ドイツ連邦共和国基本法――全訳と第62回改正までの全経過』(信山社、2018年)

宍戸常寿・音好宏・鈴木秀美・山本和彦
「座談会 NHK受信料訴訟大法廷判決を受けて」ジュリスト1519号(2018年)14-31

鈴木秀美
「番組編集準則の合憲性」(2016年度放送法研究会の記録)放送倫理・番組向上機構[BPO]編『放送倫理検証委員会10周年記念誌』放送の自由と自律、そしてPOの役割』(20183月)26-37
「『開かれた新聞』委員会 座談会 安倍1強の弊害噴出 危機にある統治機構」毎日新聞(東京朝刊)201842612-13
「放送法、インターネット法、ドイツ憲法判例の研究」(慶應義塾大学チャンネルの研究者紹介)https://youtu.be/o28vO4nDIn0


永田秀樹・倉持孝司・長岡徹・村田尚紀・倉田原志『講義・憲法学』(法律文化社、20184月)

棟居快行工藤達朗小山剛編『判例トレーニング憲法』(信山社、2018年)
棟居快行「国籍法事件最高裁平成2064日大法廷判決)」
           「非嫡出子相続分事件最高裁平成2594日大法廷決定 
     「堀木訴訟(最高裁昭和5777日大法廷判決)」 
工藤達朗「在外国民選挙権訴訟最高裁平成17914日大法廷判決
    「東京都管理職選考受験事件(最高裁平成17126日大法廷判決)」
・小山 剛「神戸高専事件判決最高裁平成838日第二小法廷判決)」
    「薬事法違憲判決(最高裁昭和50430日大法廷判決)」
・柴田憲司「夫婦同氏事件最高裁平成271216日大法廷判決)」
・片桐直人「空知太神社事件最高裁平成22120日大法廷判決)」
・鈴木秀美「北方ジャーナル事件(最高裁昭和61611日大法廷判決)」
・土屋 武「堀越事件(最高裁平成24127日第二小法廷判決」
・赤坂幸一「裁判員制度違憲訴訟(最高裁平成231116日大法廷判決)」


ジュリスト臨時増刊・平成29年度重要判例解説(20184月)
・渡辺康行「憲法判例の動き」


・棟居快行「平成28年参議院選挙と『一票の較差』」
・片桐直人「集会の自由に供せられる都市公園の利用許可の審査基準として市の協賛・後援の許可を要件とすることの適法性」 
・柴田憲司「朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外とした文科大臣の処分等の適法性」

宍戸常寿・林知更編『総点検 日本国憲法の70年』(岩波書店、2018年)
林知更「憲法の概念」1-16
・赤坂幸一「立法権と国会」210-220
毛利透「議院内閣制と行政権」221-230 
・片桐直人「財政・金融」252-260
・三宅雄彦「憲法の改正」279-289

指宿信編『GPS捜査とプライバシー保護』(現代人分社、20184月)
・斎藤司「ドイツのGPS捜査とその法的規制方法」
・中西優美子EUの個人データ収集と基本権保護の仕組み――GPS捜査とプライバシーを中心視座において」

辻村みよ子・長谷部恭男・石川健治・愛敬浩二編『「国家と法」の主要問題』(日本評論社、2018年)
・石川健治「八月革命・七〇年後――宮澤俊義の815
・高田篤「ドイツにおけるケルゼン「再発見」と国法学の「変動」の兆し」
・毛利透「ケルゼンを使って「憲法適合的解釈は憲法違反である」といえるのか」
・片桐直人「『貨幣国家』と憲法――財政作用の再検討にむけた予備的・準備的考察の一環として」

初宿正典・大沢秀介・高橋正俊・常本照樹・高井裕之編『目で見る憲法〔第5版〕』(有斐閣、2018年)

戸松秀典・初宿正典編著『憲法判例〔第8版〕』(有斐閣、2018年)

曽我部真裕・ 横山真紀編『スタディ憲法』(法律文化社、2018年)
高田倫子「3章 国民主権・天皇制・憲法改正」、「9章 幸福追求権」、「15章 参政権」

君塚正臣編『大学生のための憲法』(法理文化社、2018年)
高田倫子10章 国務請求権・手続的権利」、「14章 内閣」

高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林知更・小島慎司・西村裕一
「戦後憲法学の70 年を語る——高橋・高見憲法学との対話・3-3 9 私人間効力論」
法律時報90 4 号(2018.3

玉蟲由樹「人権保障のコンセプト」憲法問題29号(2018.4

松本奈津希「生存権の自由権的側面による最低生活保障――ドイツ連邦憲法裁判所の判例を素材として」一橋法学171号(2018.365-148

前硲大志「議会審議非公開の憲法原理的省察――ドイツ連邦議会の委員会審議を例として(一)(二・完)」阪大法学6752018.1139-163頁・6号(2018.3201-220

高橋和広
「ドイツ憲法判例研究(203)刑訴法一〇〇a条に基づくインターネット上の活動に対する監視」自治研究 944号(2018.4152-159

アンドレアス・フォスクーレ/トーマス・ヴィッシュマイヤー(畑尻剛土屋武訳)「ペーター・ヘーベルレ傘寿を祝して――コンテクスト主義の法理論(一)」自治研究 944号(2018.417-31

Yumiko Nakanishi, "The EU's Rule of Law and the Judicial Protection of Rights", Hitotsubashi Journal of Law and Politics, Vol. 46, February 2018.