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2017年5月27日土曜日

6月3日(土):第238回研究会

会場:専修大学(法科大学院棟3階の835教室)
 

10時~ 「日独憲法対話2017」準備会

 今年9月にドイツで開催予定の「日独憲法対話2017」では、「憲法の発展 Ⅱ―憲法裁判所による憲法の発展」という総合テーマの下、下記の7つの個別テーマが取り上げられる予定です。準備会では、日本側の報告・コメントの内容について意見交換を行います。会員の皆様には、「日独憲法対話2017」に参加予定か否かに関係なくどうぞご参加ください。
  • 第1テーマ「ドイツ型とアメリカ型の違憲審査制」
    報告:マティアス・イェシュテット(フライブルク大学)
    コメント:畑尻剛(中央大学)
  • 第2テーマ「憲法裁裁判所の非公式な活動」
    報者:クリストフ・メラース(ベルリン・フンボルト大学)
    コメント:鈴木秀美(慶應義塾大学)
  • 第3テーマ「判決憲法異議」(於:フライブルク大学)
    報告:パスカーレ・カンシック(オスナブリュック大学)
    コメント:松本和彦(大阪大学)
  • 第4テーマ「憲法適合的解釈」
    報告:小山剛(慶應義塾大学)
    コメント:マティアス・ルッフェルト(ベルリン・フンボルト大学)
  • 第5テーマ「憲法裁判所判決に対する立法者の反応」
    報告:オリバー・レプシウス(バイロイト大学)
    コメント:赤坂幸一(九州大学)
  • 第6テーマ「異なる裁判体による憲法判断」
    報告:ヨハネス・マージング(フライブルク大学、BVerfG)
    コメント:大西楠(専修大学)
  • 第7テーマ「家族法における非嫡出子の位置づけ-立法と憲法判例」
    報告:宮地基(明治学院大学)
    コメント:ガブリエレ・ブリッツ(ギーセン大学、BVerfG)

14時~ 月例研究会

報告者:三宅雄彦(埼玉大学)
報告判例:2016年10月13日第2法廷判決[CETAに対する仮命令を拒否した判決]
(2 BvR 1368/16, 2 BvE 3/16, 2 BvR 1823/16, 2 BvR 1482/16, 2 BvR 1444/16)
 
判例要旨
  1. CETA[カナダ及びEUの自由貿易協定]への[EU評議会における]ドイツ政府の同意を禁止する仮命令を[連邦憲法裁判所が]認めた場合、ドイツ及びEUに生ずるその政治的な否定的帰結は、[仮命令を認めない場合の]CETAの暫定発効による不利益より大きい。
  2. とりわけポートフォリオ投資、投資保護、国際海上取引、職業資格の双方的承認、労働保護に関しては、EUに条約締結権限が欠如していることから、EU評議会がCETAの暫定適用を認める決議をすれば、それは権限踰越行為とみなされる可能性がある。
  3. CETAが規定する委員会制度につき、その具体的内容が、憲法アイデンティティの一部である民主主義原理の諸原則に抵触するおそれが、完全には排除されていない。
  4. 基本法38条1項並びに20条1項及び2項の保護法益に対するリスクは、様々な予防措置により排除できるのであり、これにより、連邦憲法裁判所法32条1項の意味での公共の福祉に対する重大な不利益を、回避することができる。