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2020年6月6日土曜日

第266回研究会


● 日時:             201944日(土)14時~17
● 会場:             Web会議システム「Zoom」を使用して開催します
● 報告者:        栗島智明(埼玉大学)
● 報告判例:    2018424日の第2法廷決定(BVerfGE 149, 1
➣ 決定要旨
1.      職業官吏制度の伝統的原則としての終身任用原理は、終身任用の官吏が有する基本的身分を保護するだけでなく、終身任用の官吏にそれぞれ委ねられた身分法上の職務(Amt)をも保護する。終身任用関係によって保障される、身分法上の職務の不可奪性には根本的な意義が認められる。というのも、まさにその不可奪性こそが、委託された職務を官吏が遂行するにあたって、法律および法への拘束という利益のために必要不可欠な独立性を保障するためである。
2.      a) 伝統的に、いくつかの特定の官吏関係は基本法335項で保護された核心領域から除外されており、終身任用原則からの逸脱として認められている。
         b) 期限付き官吏関係の制度形成は、基本法335項により保障された終身任用原則に対する介入として、該当する事項領域の特殊性およびそれと結びついた任務遂行の特殊性を考慮する場合にのみ、正当化されうる。
c) 該当する地位および任務の範囲から生じる特別な事項法則性により終身任用の原則およびあらゆる身分法上の職務の終身委託の原則からの例外が必要とされるか否かにつき、一般化した答えを出すことはできない。その問いに答えるためには、個別事案におけるそれぞれの規律構造に関してあらゆる重要な観点を考慮した、具体的な評価をすることが必要である。
3.      a) ブランデンブルク州の大学法における大学事務局長(Hochschulkanzler)の地位およびその任務の範囲からは、終身任用の原則および身分法上の職務についての終身委託の原則からの例外を必要とさせるような特別な事項法則性は導き出されない。
b) ブランデンブルク州の大学法立法者は、大学総長に強力な独任制の統率の地位を与えるという規範的な組織決定・構造決定を行った。この決定それ自体に疑義はないが、終身任用原則からの逸脱を正当化しうるものではない。大学総長(Hochschulpräsident)の責任領域のなかに大学事務局長を位置づけ、ないしそれに従属させることは、事務局長を期限付き官吏関係として任用するための十分な事項理由とはならない。
c) ブランデンブルク州の大学法における具体的な制度形成における大学事務局長は、自治体の選挙官吏(Wahlbeamte)や政治官吏(politische Beamte)と比較しうるものではない。