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2024年8月29日木曜日

第308回研究会

 • 日時:2024 年 9 月 7 日(土)14 時~17 時

• 会場:慶応大学三田キャンパス南校舎 6 階 463 教室

キャンパスマップはこちら:https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html

※南校舎は正門から入ってすぐの校舎です。

• 報告者:小西葉子(関西学院大学)

• 報告判例:2023 年 10 月 31 日の第2法廷判決(2 BvR 900/22 - Wiederaufnahme des Strafverfahrens)https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2023/10/rs20231031_2bvr09002

2.html

• 判決要旨:

1.基本法 103 条 3 項の基本権同等の権利は、単なる多重刑罰の禁止ではなく、無罪判決を受けた者と同様に有罪判決を受けた者を保護する多重訴追の禁止を含む。

2.刑事手続の再審を通じ、新たな刑事訴追のための法律上の前提条件をつくる場合、[基本法 103 条 3項の多重訴追の禁止の]効果は、立法者にも及ぶ。

3.基本法 103 条に規定された多重訴追の禁止は、実体的正義よりも法的安定性に有利に働く優先決定(Vorrangentscheidung)に向けられている。この優先決定は、憲法上の地位にある他の法的利益との均衡を通じた禁止の相対化には開かれていないので、その結果、立法者にはこの限りにおいて、再審法の形成に際して[立法の]形成裁量が認められるべきではない。

4.基本法 103 条 3 項は、確定した決定(rechtskräftige Entscheidungen)における信頼保護の、狭く限定された個別形成のみを含む。同一の行為のために、既にドイツの裁判所を通じて確定した刑事判決が下された場合、同条項は、一般刑法に基づく新たな刑事訴追の前にのみ、個人を保護する。

5. この限定的な保護内容の枠組みにおいて、基本法 103 条 3 項は、基本権の享有主体の不利益となる刑事手続の再審を一般的に禁止しないが、いかなる場合でも、新たな事実又は立証方法に基づく再審は禁止する。

6. 無罪判決を受けた者は、無罪判決の既判力が、既判力の開始時点で有効な法的状況に基づいてのみ破棄され得るということを信頼することができる。ne bis in idem の原則は、無罪の刑事判決における保護の権威(Schutzwürdigkeit)を尊重し、基本法 103 条 3 項は、この信頼保護に憲法上の地位を与える。

※9 月の報告は、当初 2 つの予定でしたが、新井会員の報告が来年 1 月に延期されました。

9 月は小西会員の報告のみとなります。そのため、開始時間は通常どおり 14 時となります。

クリップボード@月報320号

 ・福山宏『<和英対訳>10訂版 外国人のための入国・在留手続の手引』(日本加除出版、2024)

・山元一・吉田徹・曽我部真裕・栗島智明『憲法学と憲法学者の〈アフター・リベラル〉-戦後憲法学

の「これまで」と「これから」を語る』(弘文堂、2024)

自治研究 100 巻 6 号(2024)

・岡田健一郎「ドイツ憲法判例研究〔276〕警察による端末通信傍受と IT 基本権に関する保護義務との

立法による調整のあり方――IT セキュリティ脆弱性決定」

自治研究 100 巻 7 号(2024)

・石塚壮太郎「庇護申請者に対する社会扶助における特別需要等級の違憲性-特別需要等級決定」

自治研究 100 巻 8 号(2024)

・岡田俊幸「ドイツ憲法判例研究〔278〕制約類似の事前効と州の気候保護法」141-147 頁

・鈴木秀美「取材源秘匿権 明文規定を」朝日新聞 2024 年 7 月 5 日朝刊 11 面「耕論 報道の自由 守

るには」(聞き手:豊秀一)