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2024年5月26日日曜日

第306回研究会

• 日時:2024 年 6 月 1 日(土)14 時~17 時

• 会場:日本大学法学部 141 講堂(本館4階)

• 報告者:武市周作(中央大学)

• 報告判例:2022 年 3 月 22 日の第1法廷決定(BVerfGE 161,1: 1 BvR 2868/15 - Übernachtungsteuer)

https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2022/03/rs20220322_1bvr28681

5.html;jsessionid=78E71BDC9D4444914448AC86EE0B4C28.internet001

• 決定要旨:

1. 支出税(Aufwandsteuer)(基本法 105 条 2 項 1 文)の対象は、個人の生活需要のための所得の消費である。支出(Aufwand)は、外部から認識可能な消費であり、そのために資金が用いられ、一般的に経済的担税力(Leistungsfähigkeit)の表れであり指標であるとみなされるが、この消費がどのような手段でなされ、どのような目的で使われるかは、詳細なところまでは問題とならない(BVerfGE 65, 325<347>; 114, 316 <334>の確認)。支出税を課すことを控えるという憲法上の義務は、基本法 105 条 2 項1 文の権限規範(Zuständigkeitsnorm)から生じるのではなく、せいぜい基本権から導かれるものである。したがって、ビジネス目的の宿泊も支出税の対象となりうる。

2.a) 基本法 105 条2a 項 1 文にある同種性の禁止(Gleichartigkeitsverbot)は、州が地域的な消費税(Verbrauchsteuer)及び支出税に対する課税権(Steuererfindungsrecht)を制限する。同種性の判断は、一方では支出税、他方では同種の連邦税の具体的な構造を総合的に考慮することによる。このことは、州や地方公共団体(Kommune)の課税権に広範な遮断効(Sperrwirkung)をもたらすものではない。

b) 宿泊施設(Beherbergungsbetrieben)での有料の宿泊に対する税は、売上税(Umsatzsteuer)のようにすべての費用に均等に課税されるものではないし、連邦政府が既に特別な課税の対象としている税源から徴収されるものでもないので、連邦法で規律する租税とは同種のものではない。

3. 立法者は、ビジネス目的の宿泊を支出税の課税から除外することはできるが、その必要はない。

クリップボード@月報318号


初宿正典訳『ドイツ連邦共和国基本法(第 2 版)』(信山社、2024)

岩間昭道「憲法改正問題について」千葉大学法学論集 38 巻 4 号(2024)


法学セミナー833 号(2024)

・柴田尭史「憲法へようこそ PartⅢ【Unit3】自分たちのことは自分たちで決めよう!―民主制と選挙」

・神橋一彦・櫻井智章・鵜澤 剛・栗島智明「憲法と行政法の交差点【第 27 回】[座談会]連載を振り返

って(上)」


EU 法研究 15 号(2024)

・中西優美子「航空分野における EU 排出量取引制度(EU-ETS)」

・石村修「ヨーロッパにおける COVID-19、ドイツを中心として」


自治研究 100 巻 5 号(2024)

・原島啓之「ドイツ憲法判例研究〔275〕自動車競走の禁止と刑罰規定の明確性」

2024年5月11日土曜日

第305回研究会中止のお知らせ

 5月11日(土)に予定しておりました研究会は、報告者が体調不良のため、中止致します。

直前のご連絡となりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年5月7日火曜日

クリップボード@月報317号

・栗城壽夫『17・18 世紀のドイツ憲法学』(尚学社、2024 年)

・門田美貴『集会の自由と「場」への権利』(尚学社、2024 年)

・中西優美子『EU 基本権の体系』(法律文化社、2024 年)

・小西葉子・新井貴大・水野陽一「ドイツ:議会法による法整備・比例原則」山本龍彦ほか(編)『個人デ

ータ保護のグローバル・マップ』(弘文堂、2024 年)

法学教室 523 号(2024 年)

・高田篤「憲法の基本原理から見る統治〔第 1 回・新連載〕新連載にあたって」「憲法の見方」

法学教室 524 号(2024 年)

・高田篤「憲法の基本原理から見る統治〔第 2 回〕憲法」と「立憲主義」(1)」

法学セミナー832 号(2024 年)

・柴田憲司「渋谷はハロウィーン会場なのか否か―憲法上の自由と給付」

・植松健一「議席ローテーションと国会議員の地位・選挙・任期」

・宮村教平「憲法へようこそ PartⅢ【Unit2】看板の不自由―表現の自由と景観保護」

・神橋一彦「憲法と行政法の交差点【第 26 回】行政法と憲法原理―「法律による行政の原理」とその周

辺」

ジュリスト 1595 号(2024 年)

・石塚壮太郎「ドイツ―Schufa によるクレジットスコアリングは制限されるか」

法律時報 96 巻 4 号(2024 年)

・小山剛「妊娠中絶とリプロダクティブ・ヘルス/ライツ——ドイツの憲法論を中心に」

・嶋崎健太郎「未出生の生命の憲法上の地位をめぐって——ドイツの場合」

・高田篤「「主権」論、「直接民主主義」論と樋口『憲法』におけるその展開可能性」

法律時報 96 巻 5 号(2024 年)

・小西葉子「国家の情報収集に関わる外国人の通信の秘密と DPF 規制」

・小山剛「海外渡航の自由と旅券発給拒否——ドイツ法からの示唆」

・村西良太「行政法学のリ・デザイン——二元的思考を超えて・9-1 法律と委任立法のはざま(上)」

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自治研究 1202 号(2024 年)

・阿部泰隆「僕の研究人生を支えた自治研究」

・中西優美子「EU 個人データ保護規則(GDPR)と国内競争当局の権限と義務」

・平良小百合「ドイツ憲法判例研究〔274〕機関関係制度前の超過支出」

第305回研究会

• 日時:2024 年 5 月 11 日(土)14 時~17 時 

• 会場: 日本大学法学部 141 講堂(本館4階) 

• 報告者:菅沼博子(山梨大学)

 • 報告判例:2021 年 6 月 8 日の第2法廷決定(BVerfGE 158, 131; 2 BvR 1866/17, 2 BvR 1314/18 - Zwangsbehandlung im Maßregelvollzug) https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2021/06/rs20210608_2bvr18661 7.html;jsessionid=C0B572B7BAC6EE13A9664DFD13122E74.internet971 

• 決定要旨: 1.拘束される本人に対する基本法 2 条 2 項 1 文及び同 2 文に基づく国家の保護義務は、当該被拘束者 が事前指示書によって意思能力を有する状態で強制治療を拒否した場合には、当該治療を正当化する ことはできない。 2.一般的人格権に基づく個人の自己決定の優位は、本人が自由な意思に基づき、その範囲を認識した上 で決定したことを前提とする。本人の宣言は、それが十分に具体的であり、かつ、具体的な治療環境 や生活環境がその範囲に含まれているかという観点に基づいて解釈されなければならない。 3.このことは、保安処分の執行施設において当該被拘束者と接触する他者の基本権を保護する国家の 義務とは関係がない。患者の自律的な意思決定は、患者自身の権利にのみ及ぶ。他者の権利は患者の 自由になるものではない。 4.立法者が、他者を危険にさらす人物に対する強制治療の措置を規定する場合、厳格な比例原則に拘束 される。厳格な実体的・手続的要請は、影響を被る自由権が絶対に必要な以上に侵害されることのな いよう保障しなければならない。

2024年4月6日土曜日

第304回研究会

 日時:2024 年 4 月 6 日(土)14 時~17 時

• 会場: 慶應義塾大学三田キャンパス南校舎 2 階 421 教室

• キャンパスマップはこちら:https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html

※南校舎は 3 月の研究会会場(南館)とは異なる建物ですので、ご注意ください。

• 報告者:宮村教平(佛教大学)

• 報告判例:2023 年 2 月 22 日の第2法廷判決(2 BvE 3/19- Finanzierung Desiderius-Erasmus-Stiftung)

https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2023/02/es20230222_2bve000319.html

• 判決要旨:

1.基本法第 21 条第 1 項第 1 文に基づく政党の機会の均等の権利に対する介入は、国家行為についての正統性が憲法から直接に導出されない場合には、法律の根拠を必要とする。

2.国家による給付が、機会の均等のもとで政党が政治競争に参加することに多大な影響を与える場合に、その給付のための特別の法律の規律が必要であることは、予算法律の制定をもってしても充たされない。

3.政党に近い関係にある財団に対する現在の国家助成は、政治的意思形成に著しく影響を与え、それゆえに、政党の機会の均等の原則に照らして評価されなければならない。


クリップボード@月報316号

斎藤孝『「憲法上の権利」の体系』(中央大学出版部、2024 年 3 月)

吉岡万季「新・判例解説 Watch ◆ 憲法 No.227 身体障害等級 4 級の者に郵便等投票制度の利用を認めていない公選法等の規定と 障害者の選挙権」TKCローライブラリー文献番号z18817009-00-012272428

ミヒャエル・シュトライス福岡安都子訳『ドイツ公法史入門』(勁草書房、2023 年)自治研究 100 巻 3 号(2024)

ヨハネス・ブーフハイム 栗島智明訳「行政法におけるアクチオ的思考(下)」法学セミナー831 号(2024 年)

片桐直人「憲法へようこそ PartⅢ【Unit1】逢いたくなったときに君はここにいない」

石塚壮太郎「最新裁判例研究◇憲法 同性パートナーへの犯罪被害者給付金不支給事件」

2024年2月24日土曜日

第303回研究会

日時:2024年3月2日(土)13時~18時 *2つ報告があります。開始・終了時間にご注意ください。

会場:慶應義塾大学三田キャンパス南館(地下2階)2B15教室

キャンパスマップはこちら:https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html

*南館はキャンパスマップ2番の建物です。正門正面の南校舎ではありませんのでご注意ください。 

 

報告者①:土屋武(中央大学) 13時~15時20分(予定)

報告判例①:2022年6月15日の第2法廷判決(BVerfGE 162, 207; 2 BvE 4/20, 2 BvE 5/20 - Äußerung der Bundeskanzlerin zur Ministerpräsidentenwahl in Thüringen

https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2022/06/es20220615_2bve000420.html

判決要旨:

  1. 連邦首相について、職務上の行為と職務に関わらない政治競争への関与を区別する基準は、その他の内閣構成員と同一である。
  2. 連邦政府内の権限秩序から、たしかに――その他の内閣構成員と比較して――連邦首相の発言権の対象はより広いが、そこから中立性および客観性の要請に関して別の要求が生じるものではない。
  3. 不平等取扱いを正当化し、連邦政府に政党の機会均等への介入権限を与える根拠は、憲法によって正当化され、政党の機会均等原則と釣り合いをとることのできる重要性を持つものでなければならない。
  4. 政党の機会均等と等価な憲法上の法益として、連邦政府の安定性および行為能力の保護ならびに国際コミュニティにおけるドイツ連邦共和国の信用性に対する信頼が考慮される。
  5. 連邦首相には、連邦政府の安定性と活動能力の維持のためにどのような措置が必要かという問題につき、外交領域の場合と同じく広い評価余地が認められる。政党の機会均等の原則に介入する場合、そのような介入を正当化する憲法上の法益が事実として不利益的影響を受け、基本法21条1項1文の政党の機会均等の権利への介入を必要としたことが説得的に説明されるか、その他のかたちで明らかにされなければならない。


報告者②:辛嶋了憲(広島大学) 15時30分~18時(予定)

報告判例②:2022年7月21日の第1法廷決定(BVerfGE 162, 378-454, BVerfG, Beschluss des Ersten Senats vom 21. Juli 2022 - 1 BvR 469/20)

https://www.bverfg.de/e/rs20220721_1bvr046920.html

決定要旨:

  1. 親の権利(基本法6条2項第1文)は、国家との関係における自由権である。国家は親の養育の権利(Erziehungsrecht)を正当化の根拠なく介入してはならない。他方、子との関係においては、子の福祉が親の養育(Pflege und Erziehung)の重要な基準を形成する。
  2. 成長段階故に未だ自己決定できない子どもの場合の予防接種実施に関する判断は、親の健康監護(Gesundheitssorge)の重要な要素の一つであり、基本法6条2項第1文の保護領域に含まれる。しかし、子の福祉に向けなければならない子への健康監護の実行の場合には、以下の場合――すなわち、親が自らの身体的不可侵性(Integrität)に関する自己決定権に基づき医学上合理性のある水準に反する場合――と比べると、医学水準に反する親の自由の程度は低い。
  3. 基本法6条2項第1文は基本法19条1項第2文の挙示義務(Zitergebot)に含まれない。

クリップボード@月報第315号

黒木忠正著/福山宏改訂編著『3訂版 はじめての入管法』(日本加除出版、2024年2月)


入井凡乃「立法者の事後的是正義務の法的構造——ドイツの判例・学説を中心に」法学政治学論究139号(2023年)


山田哲史「法廷での被告人の主張に対する処罰と表現の自由──ミルイェヴィッチ判決」人権判例報〔小畑郁・江島晶子 責任編集〕7号(2023年12月)77-83頁


山田哲史「『人権訴訟』への取り組み方──国際人権法・憲法・行政法をいかに用いるか」判例時報2576号(2024年)


自治研究100巻2号(2024年)

初宿正典「日本におけるライプホルツ研究について」

阿部泰隆「行政権と司法権の癒着、裁判の公正を害する三権分立違反の腐敗(2・完)——判検交流・裁判官の中央行政委員会委員就任・裁判官の公証人就任・租税調査官を廃止せよ」

棟久敬「【ドイツ憲法判例研究〔273〕】連邦緊急ブレーキ決定II——学校閉鎖」

法学セミナー830号(2024年)

栗島智明「憲法と行政法の交差点【第24回】立法国賠訴訟における実体的な憲法判断の先行――付随的違憲審査制の黄昏?」

木下智史=松本和彦村西良太片桐直人=伊藤建「FOCUS憲法Ⅳ【最終回・第10回】[座談会]判決の射程の評価と学説の判例への向き合い方 (2)」

メディア法研究2号〔鈴木秀美 責任編集〕(2024年1月) 

鈴木秀美「ドイツにおけるヘイトスピーチ規制の現在——2021年のヘイト扇動的侮辱罪(刑法192a条)の新設を中心に」27-47頁

石塚壮太郎「メルケル首相によるAfD批判と『戦う民主主義』——メルケル判決」173-179頁