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2019年5月31日金曜日

第258回研究会


●日時:201961日(土)14時~17
●会場:慶應義塾大学三田キャンパス西校舎(1階)516番教室
地図:https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html(こちらの地図の⑤番の建物です)
6月の月例会は、科研費による研究会との共催とします。
●報告者:柴田尭史(徳島大学)
●報告判例:20161013日の第2法廷決定(BVerfGE 143, 101)
●決定要旨:
1.調査委員会法183項は、調査委員会のあらゆる少数派に機関訴訟手続における申立権を認めているわけではない。むしろ、申立権者は、基本法4411文の意味におけるドイツ連邦議会の具体的、あるいは潜在的な設置少数派によって支えられる委員会少数派だけである。
2.議会調査委員会の取調べ権は、法律で規律されている範囲であっても、憲法に根拠がなければならない限界に服する (BVerfGE 124, 78 [118]参照)。このことに応じて、国際法上の義務は、議会の取調べ権の直接の制約を根拠づけることはできない。なぜなら、これらの義務それじたいは、憲法の地位を有していないからである。
3.NSAのセレクター・リスト文書を求める権利は、調査委員会の取調べ権から原則として生じるが、専門協力者の任命とその鑑定意見によって行使されない。
4.調査委員会の取調べ権は、作用に適し、機関に適合する課題の遂行という連邦政府の利益と対立する。この課題には、有効な国家と憲法の保護を担保している情報機関の協働も含まれる。
5.本件では、連邦政府の機密保持の利益が、議会の情報〔獲得〕の利益を優越する。というのは、取調べ決議によって含まれたNSAのセレクター・リストは、国際法上の取極めに基づいて、連邦政府の処分権能に服さず、これらのリストを同意なく引き渡すことはドイツの情報機関の機能・協働能力を相当侵害する、という連邦政府の評価は、後付けでき、連邦政府は、調査委員会と調整の上で、〔リストの〕提示要求を他の手続によって考慮した。

クリップボード@月報268号

ゲーアハルト・ライプホルツ(初宿正典柴田尭史訳)『ライプホルツの平等論』(成文堂、20195月)

ボード・ピエロート/ベルンハルト・シュリンク/トルステン・キングレーン/ラルフ・ポッシャー(永田秀樹倉田原志丸山敦裕訳)『現代ドイツ基本権〔第2版〕』(法律文化社、20194月)

西土彰一郎「番組編集準則の規範力」成城大学法学会編『変動する社会・法・政治・文化成城学園創立100周年記念・成城大学法学部創設40周年記念』(信山社、20193月)

東裕=玉蟲由樹『比較憲法(Next教科書シリーズ)』(弘文堂、20193月)
玉蟲由樹「第2章 日本の憲法学と比較憲法」、「第7章 (4)ドイツ」、「第15章 人権保障」
 田上雄大「第10章 (7)ロシア」

『ジュリスト臨時増刊 平成30年度重要判例解説』(有斐閣、20195月)
 渡辺康行「憲法 判例の動き」
篠原永明「司法修習生に対する給費制廃止の合憲性(熊本地判平成30416)」

2019年5月7日火曜日

第257回研究会

日時:日時:2019510日(金)1810分から *京大開催の全国憲の前夜に開催
報告者:植松健一立命館大学
会場:キャンパスプラザ京都5階第4演習室
* 開場は18時となっており、それより前には入室できませんのでご注意下さい
報告者:植松健一(立命館大学)
報告判例:201653日の第2法定判決(- 2 BvE 4/14 -BVerfGE 14225)https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2016/05/es20160503_2bve000414.html
決定要旨:
1.基本法には、実効的な反対派(effektive Opposition)という、連邦憲法裁判所の判決によって具体化された一般的な憲法上の原則が含まれている。
2.しかしながら、基本法は、明示的な特別の反対派(反対会派)の諸権利を根拠づけるものではなく、また、基本法を根拠にそのような諸権利を創設する要請が導かれうるものでもない。
3.特別の反対会派権の導入は、基本法第38条第1項第2文に違背する。
4.連邦議会議員の3分の1(基本法3933文)または4分の1(基本法231a2文、同第44条第1項第1文、同第45a条第2項第2文、及び同第93条第1項第2号)という基本法に規定された議員数比率を議会の少数派権行使のために引下げることは、現行の議員数比率に対する制憲者の自覚的な決定に違背する。

*研究会MLでお知らせしたように、研究会終了後、懇親会を開催します。お店から事前の人数確認を求められているため、参加希望者は事前申し込みをお願いいたします。詳しくは月報をご覧ください。

クリップボード@月報267号

小畑郁、江島晶子、北村泰三建石真公子、戸波江二
『ヨーロッパ人権裁判所の判例Ⅱ』(信山社、2019.3
33 麻薬取引の証拠入手方法と3
 証拠となりうる薬物確保のための催吐剤の使用は非人道的取扱いにあたりうる
 ―ジャロー判決―(Jalloh v. Germany)[2006、大法廷]〔門田 孝
34 3条の権利の絶対性と3条違反による証拠の排除
 誘拐された少年救出のための拷問の脅迫も禁止され、得られた証拠は排除されなければならない
 ―ゲフゲン判決―(Gäfgen v. Germany)[2010、大法廷]〔戸波江二
54 退去強制と子どもの最善の利益
 親に対する再入国禁止処分付き退去強制と子どもの最善の利益
 ―ヌニェス判決―(Nunez v. Norway)[2011]〔近藤 敦
61 放送の自由
 テレビ局に電波を割り当てないことによる新規参入制限
 ―チェントロ・エウロッパ7判決―(Centro Europa 7 S.r.l. and Di Stefano v. Italy)[2012、大法廷]〔鈴木秀美
62 取材源の秘匿
 裁判所侮辱法に基づく情報源開示命令とプレスの自由
 ―ウィリアム・グッドウィン判決―(Goodwin v. the United Kingdom)[1996、大法廷]〔西土彰一郎
65 政治広告放送の自由(1)
 政党による選挙期間中のテレビ政治宣伝広告の一般的禁止と表現の自由
 ―ルーガラン年金者党判決―(TV Vest As & Rogaland Pensjonistparti v. Norway)[2008]〔井上典之
69 公務員の団結権
 地方公務員の団結権の保障には団体交渉権と労働協約締結権が含まれる
 ―デミル・バイカラ判決―(Demir and Baykara v. Turkey)[2008、大法廷]〔倉田原志
74 所有地における狩猟の受忍
 小規模土地所有者に対する狩猟の受忍の義務づけは財産権を侵害する
 ―シャサヌー判決―(Chassagnou and others v. France)[1999、大法廷]〔門田孝
77 州立学校での十字架掲出と親の教育権
 教室内での磔刑像設置は評価の余地を超えず、親の教育権を侵害しない
 ―ラウッツィ判決―(Lautsi and others v. Italy)[2011、大法廷]〔西原博史
79 比例代表制における10%阻止条項
 トルコ大国民議会選挙での10%阻止条項は自由選挙に反しない
 ―トルコ大国民議会10%阻止条項事件―(Yumak and Sadak v. Turkey)[2008、大法廷]〔土屋武

加藤一彦『議会政の憲法規範統制: 議会政治の正軌道を求めて』(三省堂、2019.4

鈴木秀美・山田健太編著『よくわかるメディア法〔第2版〕』(ミネルヴァ書房、2019.5
 鈴木秀美「メディア法とは何か」ほか
上村都「表現の自由と名誉」ほか
實原隆志「監視カメラと個人情報保護」ほか
杉原周治「わいせつ表現」ほか
西土彰一郎「取材・報道の自由」ほか
丸山敦裕「表現の自由とプライバシー」ほか
毛利透「表現の自由の内容」ほか

渡辺武達、金山勉、野原仁編『メディア用語基本事典〔第2版〕』(世界思想社、2019.5
 鈴木秀美「ヨーロッパ(英独仏)の放送法制」

論究ジュリスト29号(2019年春号)(2019.4
【特集1】平成の憲法事件を振りかえる
Ø  柴田憲司「郵便法違憲判決(平成14911)」
Ø  高橋和広「検索エンジンによる検索結果削除請求事件(平成29131)」
Ø  片桐直人NHK受信料訴訟(平成29126)」

押久保倫夫「「個人の尊重」と「一般的自由」「人格権」」『憲法研究』第4号(2019.5

棟久敬「留保のない基本権としての信教の自由と法律の留保に関する覚書」秋田大学教育文化学部研究紀要人文科学・社会科学74号(2019.3)

甲南法学593=4(2019.3)
Ø  櫻井智章「デーラーとガイガーと連邦憲法裁判所 : 「基本法に与えたバイエルン憲法の影響」補遺」
Ø  篠原永明「親権制限とその周辺 : 憲法24条の観点からの分析」

松本奈津希「最低生活保障の法理の形成と具体化(1)ーー連邦憲法裁判所と連邦財政裁判所の判例を素材としてーー」一橋法学181号(20193月)

高橋雅人「行政組織のヒエラルヒー原理と責任原理」憲法問題302019.4

法学セミナー772号(2019.5
Ø  小山剛「[法学者の本棚]不作法のススメ……柳田國男『遠野物語』」
Ø  松本和彦FOCUS憲法3……社会保障立法の平等をめぐる事例分析【判例解説編】論証の着眼点と重点の置き所の違い」
Ø  赤坂幸一「統治機構論探訪24……政党をめぐる憲法秩序・補遺」

法律時報1137号(2019.5
特集=判例に現れている違憲審査の思考法
Ø  篠原永明「制度形成の統制」
Ø  毛利透「国民意識の変化と憲法解釈」
片桐直人「小特集=調査官解説と憲法学――憲法判例と憲法学説の対話に向けて 砂川空知太神社判決の二つの理解」
栗島智明「憲法の規整力・5-1 文民統制の可能性と限界」

法学教室2019年4月号(No.463) 【別冊付録】平成の法律事件
山田哲史5 PKO協力法成立・自衛隊カンボジア派遣」
横内恵11 京都議定書」

法学教室2019年5月号(No.464)
上代庸平「特集「講義・憲法の重要判例」Ⅵ 神奈川県臨時企業税条例事件(最判平成25321民集673438頁)」
大西楠・テア「時の問題 出入国管理と就労資格拡大」
土屋武「判例クローズアップ 衆議院議員選挙1票較差(最高裁平成301219日大法廷判決)」

自治研究955号(2019.5
ハンス・クリスティアン・レール(原島啓之(訳))「国際化による挑戦と公法学/コンスタンツ大学教授」
中西優美子「PSPP決定をめぐるドイツ憲法裁判所とEU司法裁判所間の対話【EU法における先決裁定手続に関する研究】」
神橋一彦「行政判例研究 市庁舎前広場の使用許可申請に対する不許可処分が適法とされた事例(平成29125名古屋高裁金沢支判)」
中西優美子「ドイツ憲法判例研究(216) PSPP決定に関しEU司法裁判所に先決裁定を求める決定」

鈴木秀美「『開かれた新聞』委員会 座談会 皇室の今後どう伝えるか、沖縄から見えてきた課題毎日新聞(東京朝刊)201942012-13面