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2026年6月30日火曜日

第6回日独憲法対話「準備会」の開催について

 第6回日独憲法対話「準備会」の開催について

2026年9月14日~16日にミュンヘン近郊の施設において第6回日独憲法対話が開催されることになりました。総合テーマは、「憲法の発展 VI :憲法の発展の構造、内容、様式としての歴史」です(なお、この会合は招待制としており、報告・コメント・司会をお願いする会員の皆さんには個別にご連絡を差し上げています)。本番に備えて「準備会」をハイブリッドで開催します(会場等、詳しくは月報339号をご覧ください)。日本側で報告を担当する栗島智明会員、西土彰一郎会員、藤川直樹会員、松本和彦会員が報告の概要をお話しくださり、参加予定者の間で意見交換します。招待を受けていない会員の方もよろしかったら意見交換にご参加ください。

第327回研究会

 日時:2026年7月4日(土)14時~17時

•会場: 日本大学法学部本館141講堂(4階)

•報告者:大串倫一(帝京大学)

•報告判例:2024年11月28日の第1法廷判決(BVerfGE 170, 377 - 1 BvR 460/23,1 BvR 611/23 : Strompreisbremse)

https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2024/11/rs20241128_1bvr046023.html

•判決要旨:

1.国庫の利益となる歳入効果を生じさせない私人間の法律上の支払い義務は、租税も、租税外公課も、根拠づけない(BVerfGE, 114, 196 <249 f.>も同様)。

2.立法者が、私人間の再分配によって、当該私法関係の範囲外にある公共の福祉を実現する任務を追求するのであれば、その措置については、少なくとも、支払い義務を負う私人がそうした任務と固有の近接関係にない場合には、当該私人に受忍させることはできない。

3.需要と供給の均衡をもたらす自由競争による価格形成をともなう市場での事業者と消費者との間の再分配は、基本法12条1項により保護される企業の自由に鑑みると、正当化を必要とする。不足の諸状況において自由競争による価格形成がなされる場合にとくに高い利益または収益が生じるという状況だけでは、消費者の利益となるようにそれらを吸い上げることを正当化しえない。

4.電力消費者の利益となるよう、電力の販売から得られた「超過収益」を吸い上げることは、少なくとも、電力価格ブレーキが対応しようとしていた例外状況の特殊事情を考慮すると、相当であった。電力は、生存にかかわる需要を満たすために不可欠な使用財である。価格の高騰により、電力消費者には、相当な範囲で避けることのできない異常な負担が生じた。そして供給を求められている発電会社の収益は、通常の投資の期待をはるかに上回ったが、その収益は、長期にわたって価格を引き下げる投資への刺激をもたらすことはできなかった。

5.基本法12条1項は、職業活動と直接関連し、顕著な運営上の負担をともなう、調査、情報提供、報告および記録義務のような公的任務を遂行する際の協力義務に対する防御権をも含む。

クリップボード@月報339号

 法律時報98巻7号(2026)

・三宅雄彦「司法のブラックボックスを開く・4 ドイツ連邦憲法裁判所の評議資料の開示と利用(上)」

・栗島智明「日本の民主主義・9 憲法学は民主主義の日本的特質を語りうるか」

・片桐直人「憲法と家族法の交錯・18 弔いの法秩序——弔う義務と権利の交錯と個人の尊厳」


自治研究102巻7号(2026)

・玉蟲由樹「ドイツ憲法判例研究〔301〕基本権保護義務の域外適用―ラムシュタイン基地・ドローン作戦事件」

2026年6月5日金曜日

第326回研究会

 日時:2026 年6 月6 日(土)14 時~17 時

• 会場: 日本大学法学部2 号館4 階243 講堂

※いつもの会場とは異なる建物、教室ですのでご注意ください。

• 報告者:笛木淳(広島大学)

• 報告判例:2025 年5 月7 日の第1 法廷決定(BVerfGE 171, 366 - 1 BvR 1507/23, 1 BvR 2197/23 - GKVFinanzstabilisierungsG)

https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2025/05/rs20250507_1bvr150723.html

• 決定要旨:

1.法定医療保険の領域においては、法定医療保険制度の財政的安定を確保することを目的とする費用抑制措置について妥当するのは、当該制度の複雑性ゆえに通常、明白性ないし一応の合理性審査による控えめな統制が妥当する。

2.法定医療保険の財政的安定を確保することを目的として、職業選択の自由に対して財政上の効果を有する介入が行われた場合、相当性審査において以下の点が特に顧慮されるべきである。すなわち、法定医療保険制度はその多くの部分において市場の力によって制御されておらず、法定医療保険のコスト安定性について立法者に特別の責任が課されている、という点である。給付提供者は、特別な程度において社会国家的立法の影響に服する。法定医療保険制度の安定に資する介入に対しては、信頼保護は限定的なものにとどまる。このことがとりわけ妥当するのは、立法者が、費用増加について特に責任があると判断した者に負担を課す場合である。

クリップボード@月報338号

 岩間昭道「『投票価値の平等』について」法政法科大学院紀要21巻1号


法学セミナー850号

・片桐直人・伊藤 建「FOCUS憲法Ⅶ[第21回]宗教的行為の制約の合憲性」


自治研究102巻6号

・神橋一彦「ドイツ憲法判例研究〔300〕欧州逮捕状に基づく身柄引渡しに関する上級地裁決定に対する憲法異議」

2026年5月2日土曜日

第325回研究会

 •日時:2026年5月9日(土)14時~17時

•会場: 日本大学法学部本館141講堂(4階)

•報告者:大森貴弘(常葉大学)

•報告判例:2025年6月10日の第1法廷決定( 1 BvR 1931/23)

https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2025/06/rk20250610_1bvr193123.html

•決定要旨:

1. たとえ子どもが家庭外収容されていない場合でも、子どもの成年まで命じられた面会交流排除はヨリ厳格な違憲審査基準に服する(Abgrenzung zu BVerfG, FamRZ 2023, 438, und FamRZ 2023, 283, m. Anm. Cirullies)。

2. 民法1666条による配慮権剥奪または長期にわたる面会交流排除のような重大な介入の場合には、その決定の度に要求される子の福祉の危殆化が、性質、重大さおよび発生の蓋然性について詳細かつ具体的に述べられるべきである。

3. 父が母および子どもたちに対して振るった暴力とそれによって引き起こされた子どもたちの恐怖心の認定のみでは、差し迫った(再)トラウマ化という想定を支持するには端的に不十分である。

4. 子の福祉の危殆化が子の拒否する意思に裏付けられるかぎり、裁判所が立証しなければならないのは次のことである。すなわち、裁判所が、対応する事実認定を支持するできるだけ確実な根拠を形成するのに適合的かつ相当な手続き形成に基づいて子の意思を突き止めたこと、これである。

5. 父の無反省やカウンセリングの提供が相当以前に失敗したことを示唆するだけでは、面会交流排除よりも緩やかな手段として監視付き面会交流を排除することはできない。

6. 無期限の面会交流排除は例外的にのみ比例的である (Abgrenzung zu BVerfG, FamRZ 2016, 1917, m. Anm. Splitt)。

クリップボード@月報337号

 福山宏著『実践入管行政法(法律学の森・実践法律学体系)』(信山社、2026)

赤坂幸一『憲政秩序の創設と運用』(弘文堂、2026)

赤坂正浩『立憲国家の基礎概念 』(信山社、2026)

高田倫子『行政裁量の法理論的・憲法学的考察』(有斐閣、2026)


法学教室548号

・西土彰一郎「Ⅴ 表現の内容規制と内容中立規制」


法律時報98巻5号

・高橋雅人「信頼なき政治と承認されるフェイク—日本型ポピュリズムの認識論的条件」

・辛嶋了憲「憲法と家族法の交錯・16 GID特例法3条1項5号の憲法適合性を考える」


自治研究102巻5号

・高橋和広「ドイツ憲法判例研究〔299〕連邦刑事庁法Ⅱ」


栗島智明「ドイツ連邦憲法裁判所75周年に寄せて」(法学館憲法研究所サイト、2026年4月22日)https://www.jicl.jp/articles/opinion_20260420.html


鈴木秀美「京都南丹市の事件から考える~事件報道のあり方とメディアの責任(特集)」

(TBSラジオ「荻上チキ・Session」出演、2026年4月20日)

https://www.youtube.com/watch?v=F0FAbj65Ky4&t=10790s(音声配信)