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2025年10月24日金曜日

第320回研究会

 • 日時:2025年11月1日(土)14時~17時 

• 会場:日本大学法学部本館141講堂(4階) 

• 報告者:神橋一彦(立教大学) 

• 報告判例:2025年1月24日第2法廷決定(Beschluss vom 24. Januar 2025 - 2 BvR 1103/24 -) 

https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2025/01/rk20250124_2bvr110324.html 

• 決定要旨: 

1.欧州における司法共助関係では、「相互信頼」および「相互承認」の原則が基本とされる。このような相互信頼原則の制限は、当該人物の引き渡しがEU基本権憲章第4条の意味における非人道的または屈辱的取扱いに至るおそれがある場合に認められる。 

2.「非人道的または屈辱的取扱いの禁止」は絶対的な性格をもつため、国内裁判所による拘禁条件の審査は、表面的な不備の有無にとどまらず、拘禁の実質的条件全体を総合的に評価して行わなければならない。引き渡しに関する審理を行う裁判所は、当該人物の拘禁条件について必要な補足情報を直ちに要請しなければならない。具体的には、引き渡しを要請した加盟国に対し、どのような環境で収容されるかについての追加資料の提供を求める義務がある。 

3.裁判所は、これらの補足情報を受領して危険が存在しないことを確認するまで、引き渡しの許可決定を保留しなければならない。もし合理的な期間内にその危険を排除できない場合は、引き渡し手続を終了すべきである。 

4.ハンガリーへの刑事訴追目的での引渡し容認決定に対して、ノンバイナリーを自認する人物が提起した憲法異議申立てを認容する。 

クリップボード@月報332号

 憲法ネット 103 編『混迷する憲法政治を超えて』(有信堂、2025)

・石村修「『民意』もしくは『憲法』か」

・上脇博之「『政治とカネ』の重大問題―裏金をなくす改革の必要性」

・根森健「災害と憲法」


松井茂記編著『ジャズをかけて、スターバックスのラテを飲みながら憲法を考える-憲法学からの現代社会への論争提起』(有斐閣、2025)

・棟居快行「憲法二四条は異性婚に限定しているのか?」

・鈴木秀美「裁判のテレビ中継を認めるべきではないか?」

・赤坂正浩「デジタル社会は憲法変遷を引き起こすか?」


公法研究 86 号(2025)

・大西楠テア「人の移動と住民」

・中村安菜、宮内紀子、髙良沙哉、松本奈津希、石塚壮太郎「個別報告報告要旨」

・片桐直人、平地秀哉、三宅雄彦「学界展望 憲法」


2025年10月6日月曜日

第319回研究会

 日時:2025年10月10日(金)18時~20時 

• 会場:大阪公立大学文化交流センター 

〒530-0001 大阪市北区梅田1-2-2-600大阪駅前第2ビル6階 

*JR「大阪駅」や地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩10分 

2 年前の10月の研究会と同じ会場で、大阪公立大学梅田サテライトと同じ建物の同じ階です。 

アクセスマップ:https://www.omu.ac.jp/about/campus/umeda/ 

• 報告者:渡辺洋(神戸学院大学) 

• 報告判例:2024年4月9日の第2法廷決定(BVerfGE 169, 67; 2 BvL 2/22 – Politischer Beamte) 

https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2024/04/Ls20240409_2bvl000222.html?nn=68080 

• 決定要旨: 

1. 政治的官吏を随時一時退職へと異動することができる余地は、終身任用原理(基本法 33条 5 項)を破るものとして、憲法上原則として認められるが、狭く限定された例外的な場合になお制限されていなければならない。 

2. 政治的官吏という例外的なカテゴリーの実質的正当性は、政治的官吏が、その任務の性質に応じ特別な方法で国の指導層の政治的信頼を必要とし、政府の基本的な政治的見解や目標と不断に一致した関係になければならないという点に見出される。 

3. ある官職を上述の意味で「政治的」と位置づけることがどのような場合に認められうるかは、諸々の要素にかかっている。それらの要素は、それぞれの個別事例で、トータルな観察枠組において、受任者が政府の政治的目標と持続的に一致していることが効果的な課題処理のために不可欠であるとする手がかりを提供しなければならない。 

4. ノルトライン=ヴェストファーレン州における警察署長の政治的官吏としての位置づけは、終身任用原理に対する介入であり、当該職務の特別な、事柄の性質に即した必要性では正当化されない。同職の任務の領分や同職に与えられた判断の余地、同職の組織上の立場、同職に課された州政府への助言義務の範囲その他諸々の観点は、同職を上述の意味で「政治的」であるとは証明しない。

クリップボード@月報331号

 大林啓吾編『世界の憲法本―憲法理解を深める49の本』(法律文化社、2025) 

・毛利透「ハンス・ケルゼン『純粋法学〔第2版〕』」 

・石塚壮太郎「カール・シュミット『憲法理論』」 

・生田裕也「コンラート・ヘッセ『ドイツ憲法の基本的特質』」 

・片桐直人「ぺーター・ヘーベルレ『基本法19条2項にいう基本権の本質的内容の保障〔第3版〕」 

・齋藤暁「ボード・ピエロート/ベルンハルト・シュリンク『基本権—国法Ⅱ』」 

・柴田憲司「ロベルト・アレクシー『基本権の理論』」 

・山田哲史「クリストフ・メラース『論拠としての国家〔第2版〕』」 

・辛嶋了憲「マティアス・イェシュテット/オリヴァー・レプシウス/クリストフ・メラース/クリストフ・シェーンベルガー『越境する司法』」 


長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿・小島慎司編『憲法判例百選Ⅰ・Ⅱ(第8版)』(有斐閣、2025) ※執筆者多数のため、ご芳名と通しの事件番号のみ掲載させていただきます(掲載順)。 

・近藤敦(6)、毛利透(7)、實原隆志(14)、丸山敦裕(15)、武市周作(17)、押久保倫夫(19)、渡辺康行(24)、井上典之(25)、倉田原志(33)、玉蟲由樹(36)、松原光宏(38)、福岡安都子(40)、石川健治(42)、林知更(45)、嶋崎健太郎(46)、上村都(51)、門田孝(56)、西土彰一郎(61)、鈴木秀美(68)、小山剛(74)、岡田健一郎(80)、工藤達朗(83)、石塚壮太郎(88)、松本和彦(91)、宮地基(92)、栗島智明(93)、平良小百合(95)、三宅雄彦(96)、赤坂正浩(102)、村西良太(103)、高田倫子(104)、山田哲史(107)、藤井康博(118)、松本奈津希(128)、柴田憲司(131)、渡辺洋(139)、國分典子(140)、高田篤(146)、山本真敬(149)、植松健一(150)、上脇博之(154)、篠原永明(155)、本秀紀(161)、斎藤一久(166)、石川健治(173)、日野田浩行(178)、赤坂幸一(182)、高橋雅人(189)、加藤一彦(192)、上代庸平(193)、片桐直人(194)、土屋武(197)、須賀博志(199) 


辛嶋了憲「公職選挙法施行令129条4項及びその周辺に関する若干の整理」広島法学49巻1号(2025) 

辛嶋了憲「医学部入試性別等不利益取扱事件:令和5年12月25日・東京地方裁判所判決」広島法学49巻1号(2025) 


行政法研究61号(2025) 

・柴田暁史「欧州法共同体―コンセプトと実務上の転換」 

・山田哲史「基本権を中心とした法治国的覊束(1)―法律の優位と留保」 

・辛嶋了憲「基本権を中心とした法治国的覊束(2)―平等」 


Toru Mori, Versammlungsfreiheit in öffentlichen Einrichtungen. Zur Notwendigkeit der Erneuerung der Dogmatik, Die Verwaltung 58 (2025), Heft 2, S.89-105 


ジュリスト1615号(2025) 

・林知更「地方自治の本旨」と比例原則――地方公共団体への国の指示権をめぐって」 

法学教室541巻(2025) 

・高田篤「憲法の基本原理から見る統治〔第18回〕内閣と行政機関」 

法学セミナー846号(2025) 

・松本和彦・伊藤 建「FOCUS憲法Ⅵ[第3回]同性婚の法的承認─『結婚の自由をすべての人に」事件』」 


法律時報97巻11号(2025) 

・山元 一・石川健治・小畑 郁・井上武史・三牧聖子・根岸陽太・江島晶子・横大道 聡「[2025年度憲法理論研究会研究総会]平和と法をめぐる対話─「〈戦争を知らない子どもたち〉だけのこの国」を目の前にして」 


自治研究101巻10号(2025) 

・中西優美子「西サハラ領域からの農産品の輸入にかかわる共通通商政策と消費者保護(Ⅲ(9))【EU法における先決裁定手続に関する研究(64)】」  

・初宿正典・山中倫太郎訳「ドイツのラント憲法:シュレースヴィヒ=ホルシュタイン憲法(三・完)」 

・安原陽平「ドイツ憲法判例研究〔292〕連邦奨学金法決定」