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2015年6月26日金曜日

7月4日(土):第219回研究会

日時:2015年7月4日(土) 14時
報告者:田上雄大(日本大学大学院)
報告判例:2014年10月21日の第2法廷判決(2 BvE 5/11)
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2014/10/es20141021_2bve000511.html

判例要旨

  1. 連邦政府に対するドイツ連邦議会の質問権及び情報(請求)権は基本法第38条第1項第2文及び第20条第2項第2文から結果として生じ、その権利には原則的に連邦政府の返答義務が対応する。兵器輸出統制というものは、政府の行為のこの部分的領域の対外政策上の意義故にではなく、最初から議会の統制総てから遠ざけられている。基本法第26条第2項第1文のその権限配分も、とりわけ議会の責任から原則的に遠ざけられる、執政権上の決定の余地自体を生じさせない。
  2. 連邦議会及び個々の議員の情報請求(権)というものは、それにもかかわらず、無制限にあるというわけではない。その情報請求(権)は、権力分立原則、国家の安寧及び第三者の権利によって制限される。


  • a. 連邦安全保障会議の助言及び決定行為というものは、執行権上の自己責任の中核領域の中に含まれる。連邦政府はこのことから、関連質問に対してドイツ連邦議会の議員に以下のことを報告することが義務付けられるだけである。というのは、連邦安全保障会議がある一定の、つまり兵器、依頼量及び受入れ国についての具体的な兵器輸出取引を許可したということ或いは質問に記述されていたような取引の許可が与えられなかったということについてである。これを超える報告は、憲法上命じられていない。
  • b. 兵器輸出への許可を与えたことについての、まだ伝えられていない諸申請への質問の返答というのを、連邦政府は、軍需企業についての事前質問に関する情報と同じ様に、国家の安寧という理由からも拒むことができる。それに応じて、許可申請が認められなかったということは事実とみなされている。連邦安全保障会議によって既に承認された、許可の付与についての諸申請が問題となる場合も、この理由からの返答の拒否が正当化され得る。
  • c. 意図された兵器輸出取引に対する情報の公開と結びついた、ドイツの軍需産業の企業の職業の自由への侵害というのは、原則的には以下の限りに於いては正当化される。というのは、連邦政府がその返答の中で、連邦安全保障会議が具体的な兵器輸出取引への許可を付与したということに関する情報をどのように与えるか、及びこの大枠に於いて、兵器の種類及び数に関して、関与しているドイツの企業に関して、そして取引の総量に関しての報告をどのようにするのかに限りである。これを超える報告は、原則的に極端な方法に於いて企業の職業の自由を侵害するということになる。
  • d. 根拠設定義務は、確かに、連邦政府が与えられた許可に関しての、或いはこの大枠に於いて伝えられなければならない輸出取引の一般的な事柄に関しての情報をどのように拒否するつもりなのかに限っては存在する。