場所:慶應義塾大学三田キャンパス1号館105教室
http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html キャンパスマップ⑨の建物
報告者:新井貴大(慶應義塾大学大学院)
報告判例:2018年3月21日の第一法廷決定(1 BvF 1/13)
[官庁による消費者への情報提供と職業の自由]
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2018/03/fs20180321_1bvf000113.html
決定要旨:
1. 国家による情報提供活動は、目標設定および間接的・事実上の作用の点で職業の自由に対する介入に機能的等価物(funktionales Äquivalent)として匹敵する場合、基本法12条1項に照らして判断されねばならない。官庁の情報は次の場合に少なくとも職業の自由に対する介入に匹敵する。すなわち、官庁の情報が意図的に(zweckgerichtet)消費決定の基盤に対して影響を与え、当該事業者にとって不利益となるように市場および競争の状況を変更することによって、具体的な個々の事業者の市場条件を直接に標的とする場合である。
2. ある事業者が食品法または飼料法の諸規定に違反した場合、その法律違反が健康への危険を伴わない場合であっても、職業の自由によって保護される事業者の利益は、公衆へと情報提供を行う利益に劣後しうる。もっとも、消費に関連する法律違反についての官庁によるインターネット上の個別の情報は、法律の定めにより期限が付されなければならない。
3. 連邦憲法裁判所は、国内法が基本法に適合するか否かを、当該法律が同時にEU二次法に適合しているか疑いのある場合であっても審査する。