第 313 回研究会
• 日時:2025 年 3 月 1 日(土)13 時~18 時
※2 名の報告があります。開始時間と終了時間にご注意ください。
• 会場:日本大学法学部本館 141 講堂
• 報告者①:前硲大志(関西学院大学)13 時~
• 報告判例:2024 年 9 月 18 日の第2法廷決定(2 BvE 1/20, 2 BvE 10/21 -Ausschussvorsitze Bundestag)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2024/09/es20240918_2bve000120.html
• 判決要旨:
1.基本法 38 条 1 項 2 文に基づく議員の特殊な身分権およびそこから導出される会派の特殊な身分権以外についても、形式的平等の原則が妥当する。ここから、平等取扱請求権が導き出される。
2.この憲法上の平等取扱請求権は、ドイツ連邦議会議事規則の公正かつ忠実な解釈適用を求める議員および会派の権利として表れる。それゆえ、ドイツ連邦議会議事規則によって付与され、基本法 38 条 1 項 2 文に基づく特殊な身分権の埒外にある参加権についても、この平等取扱請求権が――関与請求権として――及ぶ。
3.議員および会派の特殊な身分権に対する議事規則による制約は、特別な憲法上の正当化要請に服する。その制約は、憲法ランクにある他の法益の保護に資するものでなければならず、比例原則を遵守しなければならない。
4.これに対して、ドイツ連邦議事規則によって初めて付与される法的地位への関与に関する議員の形式的平等の地位だけが問題となる場合、憲法裁判所は、議事規則の当該規定またはその解釈適用が少なくとも明らかに不合理で、したがって恣意的なものか否かについてのみ審査を行う。
• 報告者②:門田美貴(京都大学)15 時 45 分~
• 報告判例:2025 年 1 月 14 日の第1法廷判決(1 BvR 548/22 „Polizeikosten Hochrisikospiele“)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2025/01/rs20250114_1bvr054822.html
• 判決要旨:
1.料金(Gebühren)とは、個人に帰責可能な給付に際し公法上の規定やその他の高権的措置によって課され、とりわけ当該給付との関連でその費用の全部または一部を補填すること、もしくは当該受益や価値に対する支払いを行うことを目的とした、公法上の現金給付として理解される。こうした料金は、反対給付の側面、すなわち利益と負担の衡量に依るものである。
2.警察による安全配慮は常に無償で提供されなければならないという一般的原則は憲法上認められない。当該安全配慮は、必ず税収入からのみ調達しなければならない一般的国家活動ではない。また、憲法上、警察コストが原因者(Störerinnenund Störern)、もしくは警察法の規定に基づいて原因者の代わりに責任を負わされうるもの、もしくは自ら違法な行いをした者のみに課すことを要請されない。
3.料金とは、実際に、個人的に帰責可能な給付に対する反対給付として実際上も徴収される場合にのみ適切なものとなる。その際、たしかに、料金法の立法者は、いかなる個人的に帰責可能な公的給付を料金支払義務のもとに置くべきかにつき、広範な決定および形成に関する裁量を有する。しかし、こうした裁量の逸脱は法律上定められた利益と公課の支払義務との間で具体的連関がもはや認められない場合にのみ逸脱したこととなる。
4.個人的・具体的帰責可能性の存在を想定することができるのは、公的給付が具体的な受益と結びついている場合や、個人的に誘発(veranlasst)され、とりわけ、限られた国家的資源を特別な使用を伴う、公物の通常の使用を超えるような「特別使用(Sondernutzung)」の場合である。