•日時:2026年4月4日(土)14時~17時
•会場:慶應義塾大学三田キャンパス南校舎2階421教室(正門を入ってすぐの建物)
•報告者:柴田憲司(中央大学)
•報告判例:2024年11月26日の第1法廷判決(BVerfGE 170, 293; 170, 373– 1 BvL 1/24 – Krankenhausvorbehalt)
※月報335号掲載の今後の報告予定に記載されているものから修正あり
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2024/11/ls20241126_1bvl000124.html?nn=68020
•判決要旨:
1.基本法2条2項1文〔生命権・身体の不可侵性〕に基づく国家の保護義務の充足として行われる、承諾〔同意〕能力のない被世話人に対する医療上の強制処置〔強制治療〕は、厳格な要件に服し、かつ、最終手段としてのみ許容される。
2.専門裁判所による医療上の強制処置の命令によってもたらされる、承諾〔同意〕能力のない被世話人の基本法2条2項1文後半の基本権〔身体の不可侵性〕に対する介入は、厳格な比例原則の審査に服する。
3.医療上の強制処置を、詳細に専門化された処置〔ケア〕水準を備えた病院における入院での滞在と結びつけることは、原則として許容される。
4.病院〔入院〕の留保によって追求された強制処置の諸目的、すなわち、私的な居住環境における強制処置からの保護、医療上の強制処置の実施要件についての多職種からなる専門家のチームによる審査、不当な誘因に基づく不必要な医療上の強制処置の阻止、適切な専門水準を備えた医療処置の確保という諸目的は、いずれも正当であり、憲法上も根拠づけられる。
5.しかし、医療上の強制処置を、例外なく、入院中の病院での滞在と結びつけることは不相当である。一定の例外が次のような場合に要請される。すなわち、医療上の強制処置を、病院における入院での滞在の枠内で実施すべきことを例外なく求める基準により、個別の事案において、事前の観察〔事前評価〕に基づき、被世話人に対し、その身体の不可侵性への重大な侵害を切迫させるおそれがあることに少なくとも一定の蓋然性があり、かつ、被世話人が入居している施設であって、事後の処置〔ケア〕も含めた具体的に必要となる医学上の処置〔ケア〕に関し、病院における場合とほぼ同程度の水準が達成されうると想定される施設において強制処置を行うことで、前記の身体の不可侵性への侵害が回避されるか、少なくとも大幅に減少されうる場合であって、その際、身体の不可侵性やこれと同等に重要な他の基本権上保護された地位への別途の侵害の危険を生じさせない場合である。