日時:2018年3月3日(土) 13時~18時 *開始時間と会場にご注意ください!
会場:慶應義塾大学三田キャンパス南館地下3階 2B33教室
https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html(南館はキャンパスマップ12番の建物)
報告①(サブ報告) 13:00~14:50
報告者:山中倫太郎(防衛大学校)
報告判例:2016年9月20日の第二法定決定(2 BvR 2453/15)
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2016/09/rs20160920_2bvr245315.html
決定要旨
- 連邦の最高の裁判所への裁判官の任命は、基本法33条2項によって審査されなければならない。95条2項によって前もって与えられた選出手続は、しかし、純粋な執行府の選出及び昇進決定に対する修正を条件付ける。
- 裁判官選出委員会の構成員は、その決定に際しては、基本法33条2項への主務大臣の拘束を尊重しなくてはならない。本来の選出行為は、裁判官の統制には服さない。
- 主務大臣は、その決定に際して、形式的な任命要件が充足されない場合、手続法上の基準が遵守されない場合、又は、すべての事情を考慮し、かつ、とりわけ基本法33条2項の評価を背景とした場合、その結論をもはや支持できない場合を除いては、選出結果に従わなければならない。
- 大臣は、その同意を拒絶する場合、又は、裁判官人事委員会の見解、若しくは、勤務上の判断によれば、候補者の選出に同意しない場合には、理由を説明しなければならない。
報告②(メイン報告) 15:00~18:00
報告者:カール=フリードリッヒ・レンツ(青山学院大学)
報告判例:原子力燃料税に関する2017年4月13日第2法廷決定(2 BvL 6/13)
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2017/04/ls20170413_2bvl000613.html
決定要旨:
- 憲法105条・106条で列挙されている租税および税種について、憲法は類型概念を使用している。
- 憲法105条・106条で既定されている広く解釈されるべき類型概念の範囲内では、立法者は、新たな租税を「発明」する自由を有する。
- 憲法105条・106条が連邦及び州への立法管轄を認めていることは、完結されている。憲法106条の租税類型を超える一般的租税発明権は、憲法から導くことができない。
- 経営者が純粋な生産手段として使用する財物を課税することは、消費税*として個人の収入使用に負担をかける立法構成と原則として両立しない。
- 原発燃料税は、憲法106条1項2号における消費税に該当しない。
*Verbrauchsteuerの直訳としてここで「消費税」を使用するが、日本の消費税はドイツのUmsatzsteuer(付加価値税)に該当するため、疑問が残る。誤解を招く直訳ではあるが、より適切な訳語を見当たらないため、やむを得ず使用している。