日時:2023年3月4日(土)13時~18時
*2名の報告があります。開始・終了時間にご注意下さい
会場:慶應義塾大学(三田キャンパス)研究室棟1階会議室A・B
- キャンパスマップはこちら:https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html(→「⑨」の建物です)
- 対面参加のための事前申込み等は不要です。会場にそのままお越しください。
- 会場ではレジュメのみを配布しますので、判決文の全訳については各自ダウンロード・印刷をしていただくようお願いいたします。
- なお、会場ではeduroamアカウントに加えてゲストとしても慶大のWiFiに接続できます(接続先は月報第305号をご確認ください)。
Web参加:Web会議システム「Zoom」を併用して開催します
- アクセス先は月報第305号をご確認ください。
- 報告に使用する資料は、報告の前日18時までにアップロードします:アクセス先は月報第305号をご確認ください。
- 今回、研究会終了後のリモート懇親会は開催しません。
- 月例会を、科研費(基盤B)「憲法秩序の領域分化をめぐる法的論証作法の日独比較」(研究代表:鈴木秀美)による研究会との共催とします。
【報告①】13時~15時30分(予定)
報告者:波多江悟史(愛知学院大学)*オンライン報告
- 報告判例:2021年7月20日第1法廷決定(BVerfGE158,389 – Staatsvertrag Rundfunkfinanzierung)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2021/07/rs20210720_1bvr275620.html
- 判決要旨:
- 放送の自由(基本法5条1項2文)に基づき、国家には、公共放送局の機能適合的財源を保障する作為義務が課せられるが、当該義務には、公共放送局の基本権上の財源請求権が対応する。国家が当該義務を履行しないことについて、公共放送局は憲法異議手続の中で攻撃を行うことができる。
- 国家の財源保障義務(基本法5条1項2文)は、連邦上の責任共同体において連帯責任を負う各州に課せられる。連帯責任は、各州は放送財源に関する立法権限を有しているが、現在では、州横断的に放送の機能適合的財源を規律することだけが、基本権保護を実現することができるということに基づいている。
- 現在の放送財源システムにおいて、個々の州が単独で放送負担金の値上げを拒否することは――まして支持可能な理由に基づかない場合には――許されない。
【報告②】15時30分~18時(予定)
報告者:中西優美子(一橋大学)
- 報告判例:2022年2月9日の第2法廷決定(CETAの暫定適用を認めた決定)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2022/02/rs20220209_2bvr136816.htm
- 判決要旨(DÖV掲載のもの):
- 2016年10月28日のCTEAの暫定適用に関するEU理事会決定は、Ultra-vires行為として認定されず、また、それによって基本法20条1項及び2項の意味における民主主義原則はかかわってこない。個々の分野に対するEUの条約締結権限に議論の余地がある限り、暫定適用は制限される。
- 確かに、CETAの裁判所及び評議会制度に高権がさらに移譲がされる限り、これが基本法23条1項からの統合授権によりカバーされるか否かは疑わしい。そのような危険性は、暫定適用の制限およびCETA混合評議会にかかわる理事会付属書の宣言により排除される。
- 基本法20条1項及び2項に鑑みたCETA混合評議会の決定の民主主義的正統性及びコントロールが疑わしくみえる限りで判断すると、CETAの暫定適用にあたっては憲法アイデンティティ(基本法79条3項)の何等かのかかわりは懸念されえない。