日時:2026年7月4日(土)14時~17時
•会場: 日本大学法学部本館141講堂(4階)
•報告者:大串倫一(帝京大学)
•報告判例:2024年11月28日の第1法廷判決(BVerfGE 170, 377 - 1 BvR 460/23,1 BvR 611/23 : Strompreisbremse)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2024/11/rs20241128_1bvr046023.html
•判決要旨:
1.国庫の利益となる歳入効果を生じさせない私人間の法律上の支払い義務は、租税も、租税外公課も、根拠づけない(BVerfGE, 114, 196 <249 f.>も同様)。
2.立法者が、私人間の再分配によって、当該私法関係の範囲外にある公共の福祉を実現する任務を追求するのであれば、その措置については、少なくとも、支払い義務を負う私人がそうした任務と固有の近接関係にない場合には、当該私人に受忍させることはできない。
3.需要と供給の均衡をもたらす自由競争による価格形成をともなう市場での事業者と消費者との間の再分配は、基本法12条1項により保護される企業の自由に鑑みると、正当化を必要とする。不足の諸状況において自由競争による価格形成がなされる場合にとくに高い利益または収益が生じるという状況だけでは、消費者の利益となるようにそれらを吸い上げることを正当化しえない。
4.電力消費者の利益となるよう、電力の販売から得られた「超過収益」を吸い上げることは、少なくとも、電力価格ブレーキが対応しようとしていた例外状況の特殊事情を考慮すると、相当であった。電力は、生存にかかわる需要を満たすために不可欠な使用財である。価格の高騰により、電力消費者には、相当な範囲で避けることのできない異常な負担が生じた。そして供給を求められている発電会社の収益は、通常の投資の期待をはるかに上回ったが、その収益は、長期にわたって価格を引き下げる投資への刺激をもたらすことはできなかった。
5.基本法12条1項は、職業活動と直接関連し、顕著な運営上の負担をともなう、調査、情報提供、報告および記録義務のような公的任務を遂行する際の協力義務に対する防御権をも含む。