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2019年4月4日木曜日

第256回研究会

日時:2019年4月6日(土)14時~
場所:日本大学法学部4号館(地下)第4会議室A 
*当日、4号館入館には会議室に入口にあるインターホンで連絡を取り、内部からの開錠を求めることが必要です。13時45分から14時までは、誰かが入口で待機するようにいたしますのでその必要はありません。14時以降に到着された場合には、4号館入口からインターホンで会議室へご連絡くださるようお願い申し上げます。
報告者:原島啓之(大阪大学・院生)
報告判例:2018年6月6日の第1法廷決定(1 BvL 7/14, 1 BvR 1375/14)[客観的事由のない有期労働契約の反復禁止と司法による法形成の限界]
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2018/06/ls20180606_1bvl000714.html
決定要旨:
1. 有期雇用形態を法律により制限し、無期限の継続雇用を原則的雇用形態として保護することは、構造的に劣位にある被用者の保護という基本法12条1項から生じる国家の義務ならびに基本法20条1項および28条1項の社会国家原理を顧慮している。
2. 客観的事由のない期限設定をそれぞれの使用者の下での初回の雇用に制限することに伴う個人の職業の自由に対する制約は、かかる構造的劣位を利用し尽くす期限設定の連鎖の危険を防止し、無期限の労働関係を原則事例として保障するために必要である限りで正当化される。
3. 裁判官の法形成によって、明確に認識可能な立法者意思を無視し、自らの規律モデルに置き換えてはならない。

クリップボード@月報266号

藤野美都子・佐藤信行編『憲法理論の再構築 植野妙実子先生古稀記念論文集』(敬文堂、2019年)所収:
➢ 加藤一彦「ナチス憲法としての授権法――1933年授権法の悪魔的効能」
➢ 畑尻剛「ラインの右岸と左岸の憲法裁判所――M.イェシュテット教授の講演を素材に」
➢ 工藤達朗「憲法の自殺?――主権委譲の可能性をめぐって」

三宅雄彦「構造科学としてのドイツ憲法理論」法律時報91巻3号92-97頁

渡辺康行『「内心の自由」の法理』(岩波書店、2019年3月)

上代庸平『自治体財政の憲法的保障』(慶應義塾大学出版会、2019.3)

中西優美子編『人権法の現代的課題―ヨーロッパとアジア』(法律文化社、2019年1月)
➢ 中西優美子「第1章 EUの対外関係において人権を保護するメカニズム」
➢ Ferdinand Wollenschläger(中西優美子訳)「第2章 EUにおける基本権レジーム―その範囲をさぐる」
➢ 中西優美子「第3章 EUにおける共通庇護制度の発展」
➢ Niels Petersen(中西優美子訳)「第4章 欧州人権条約及びEU基本権法における非差別の原則」
➢ 實原隆志「第10章 表現の自由―特に日本とドイツの学説の比較を中心に」

藤井康博「原因者責任原則の憲法的基礎づけ(2):憲法学・環境法学における自由の自己責任と責任の帰結」大東法学28巻1号(2019年)

オリヴァー・レプシウス(土屋武訳)「民主主義にける法学(2)」法政理論(新潟大学)51巻2号(2019年)

土井真一編『憲法適合的解釈の比較研究』(有斐閣、2018年12月)
➢ 山田哲史「第1章:日本における『憲法適合的解釈』論の現状分析」
➢ 「第4章:ドイツにおける憲法適合的解釈の位相」

武市周作「ドイツにおける憲法上の日曜日および祝日の保護に関する予備的考察 ヴァイマル憲法139条と結びついた基本法140条の法的性格と、日曜日・祝日保護の法制度」東洋法学62巻2号(2018年12月)

高橋和也「ドイツ連邦憲法裁判所の『三段階説(Drei-Stufen-Lehre)』:「比例原則」・「機能法的アプローチ」との結びつきを中心に」一橋法学17巻3号(2018年11月)

メディア・コミュニケーション69号「特集:インターネット時代のメディア法の行方」
➢ 鈴木秀美「EU一般データ保護規則とドイツのメディア適用除外規定」
➢ 杉原周治「公共放送のオンライン・コンテンツと『プレスとの類似性』の判断―『Tagesschau-App』事件をめぐる2012年9月27日ケルン地方裁判所判決の分析を中心として」
➢ 石塚壮太郎「政府の広報活動と政党間競争への国家介入の限界」

渡辺洋「ドイツ憲法判例研究(214)公的企業に係る政府の情報提供義務とその議会統制[連邦憲法裁判所第二法廷2017.11.7判決]」自治研究95巻3号(2019.3)150-157頁

玉蟲由樹「一般的平等原則の私法への照射効[連邦憲法裁判所第1法廷2018.4.11決定]」自治研究95巻4号(2019.4)154-162頁

2019年3月5日火曜日

第255回研究会


日時:201932日(土)14時~

場所:日本大学法学部4号館(地下)第4会議室A 

報告者:三宅雄彦(駒澤大学)

報告判例:2018612日の第2法廷判決(2 BvR 1738/12, 2 BvR 1395/13, 2 BvR 1068/14, 2 BvR 646/15

https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2018/06/rs20180612_2bvr173812.html

決定要旨:

1.基本法9条3項の保護領域の人的範囲には、官吏も含まれる(判例集19巻303、312、322頁参照)。勿論、団結自由の基本権の保障に留保はないけれども、この基本権は、これと競合する第三者の基本権、及び憲法の位階を持つ他の権利により制限されうる。

2.a) 官吏のストライキ禁止は、基本法33条5項の意味における職業官僚制の本来的で伝来的な原則の一つである。この禁止は、伝来的原則として必要な条件である伝統性と実体性を充足している。

 b) 立法者は、職業官僚制の伝来的原則としての官吏のストライキ禁止を遵守しなければならない。この禁止は、官吏法上の扶養原理、誠実義務、終身原理、及び俸給を含む官吏法上の法関係の立法者による規律の原則、これらの諸原則と密接に結びついている。

3.a) 基本法の諸規定は国際法友好的に解釈しなければならない。欧州人権条約のテクスト及び欧州人権裁判所の判例は、憲法のレベルにおいて、基本法上の諸基本権及び法治国家的諸原理につき、その内容と射程を確定するための解釈上の補助手段として、用いられる(判例集74巻358、370頁、111巻307、317頁、128巻326、367-368頁。確定判例)。

 b) 条約加盟国は、それが当事者である全ての法的事件において欧州人権裁判所の終局判決に従うことを、欧州人権条約46条により義務づけられているが(判例集111巻307、320頁も参照)、この46条の適用領域以外でも欧州人権裁判所の判例は条約当事国を方向づけるのであり、その際、これを文脈化して当該事件の具体的諸状況を特に考慮しなければならない。この嚮導/方向づけ作用が特に強く働くときがあるが、それは、類似事例が条約加盟国の法秩序の妥当領域の中で言及されて、それ故に欧州人権裁判所の決定が該当する条約加盟国の(別の)手続が該当する場合である。

 c) 国際法友好的解釈は基本法により限界づけられる。条約友好的解釈が可能であるとしても、それは以下のときまでである。つまり、法律解釈及び憲法解釈として承認された方法からすれば、この条約友好的解釈がもはや合理的でないと思われるときである(判例集111巻307、329頁、128巻326、371頁参照)。ちなみに、基本法の条約友好的解釈の枠内にあるとしても、欧州人権裁判所の判決はできるだけ慎重に、分化した教義学を持つ既存の国内法秩序の中へと、組み込まねばならない。

4.ドイツにおける官吏のストライキ禁止は、基本法上の国際法友好性の原則と一致し、且つ、特に欧州人権条約の諸々の保障と合致する。欧州人権裁判所の判例を考慮した場合にも、ドイツ法と欧州人権条約11条の間に衝突状況があると確認することはできない。

クリップボード@月報第265号

赤坂幸一「統治機構論探訪 22――最高裁判例の形成過程(5)」法セミ769号(2019年2月号)

赤坂幸一「日本国憲法のアイデンティティ 第4回 公権力の透明性と理由提示」論究ジュリスト(2018年秋号)139-150頁

鈴木秀美「『開かれた新聞』委員会 座談会 激動の平成 どう総括、新しい時代 どう対応」毎日新聞(東京朝刊)2019年1月4日8-9面

土屋武「ドイツ憲法判例研究(212) NPD違憲確認訴訟[連邦憲法裁判所第二法廷2017.1.17判決]」自治研究95巻1号(2019.1)137-148頁

カール・フリードリヒ・レンツ「ドイツ憲法判例研究(213) 原発燃料税法に関する違憲決定[連邦憲法裁判所第二法廷2017.4.13決定]」自治研究95巻2号(2019.2)145-152頁

藤野美都子・佐藤信行編『憲法理論の再構築 植野妙実子先生古稀記念論文集』(敬文堂、2019年)
加藤一彦「ナチス憲法としての授権法――1933年授権法の悪魔的効能」
畑尻剛「ラインの右岸と左岸の憲法裁判所――M.イェシュテット教授の講演を素材に」
工藤達朗「憲法の自殺?――主権委譲の可能性をめぐって」

2019年1月9日水曜日

第254回研究会

日時:2019年1月12日(土)14~17時
   *第2土曜日に開催します。会場も日本大学法学部です。
場所:日本大学法学部本館145講堂(以下のキャンパスマップ参照)
https://www.law.nihon-u.ac.jp/campusmap.html
報告者:村山美樹(桐蔭横浜大学非常勤講師)
報告判例:2014年10月22日の第2法廷決定(BVerfGE 137, 273)   https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2014/10/rs20141022_2bvr066112.html
決定要旨:
1.  信仰の自由の保護領域と編入されたワイマール憲法の条項とが重なる場合、すべての人に適用される法律の制約に、宗教団体の自己決定権が服する限りにおいて、ワイマール憲法137条3項と結びついた基本法140条は、基本法4条1項および2項の特別規範として優位する(いわゆる制約の特殊性)。ただし、国家の裁判所によるすべての人に適用される法律の適用に際して、対抗する諸利益の調整がなされる場合、基本法4条1項および2項は集団の宗教の自由を留保なしに保障していること、その限りで宗教団体の自己決定権および自己理解には特別のウェイトが付与されていることが考慮されなければならない。
2.  教会の自己理解の意味における、働きの宗教的側面の確保、および、教会の基本的任務に直接的な関連性をもつ活動の維持に資するあらゆる措置を、教会の自己決定権は包括している。教会の属性の形成は、もっぱら教会に義務付けられており、かつ、集団の宗教の自由の構成要素として、基本法4条1項および2項を通じて実定憲法上保護されている。
3.  国家の裁判所は、説得性のコントロールの範囲において、信仰を定義づけた組織的教会の自己理解を基礎に、教会の基本的任務の実現にある組織およびある制度が関与しているか否か、ある一定の忠誠義務が教会の信仰規則に明らかとなっているか否か、教会の自己理解によればどれほどのウェイトがこの忠誠義務、および、この忠誠義務に対する違反に置かれているかを審査しなければならない。次いで、「すべての人に適用される法律」の制約の観点のもとに、あらゆる衡量が施されなければならない。この衡量のなかでは、−−教会の自己決定権に照らして理解される—教会の利益および集団の宗教の自由と、当事者の被雇用者の基本権、および、一般的労働法の保護規定に含まれる当該被雇用者の利益とが調整されなければならない。その際、衝突する法的地位は、可能な限り高い程度において実現されなくてはならない。

クリップボード@月報第264号

赤坂幸一「統治機構論探訪 21――最高裁判例の形成過程(4)」法セミ768号(2019年1月号)

法学セミ768号 特集《放送とは何か》
・鈴木秀美「放送制度の仕組み」
・西土彰一郎「制度的自由としての放送の自由」 
・浜田純一「放送における自由と倫理」

栗城壽夫「ヘルマン・ヘラーにおける憲法の規範力(2)~(3)、(5)~(9)」名城ロースクール・レビュー36号(2016.4)39-71頁、37号(2016.8)1-32頁、38号(2017.1)23-35頁、39号(2017.4)59-63頁、40号(2017.8)45-65頁、43号(2018.8)17‐33頁、44号(2019.1)
栗城壽夫「ヘルマン・ヘラーの憲法概念」名城法学66巻1・2合併号(2016.12)25-63頁

MUNESUE, Toshiyuki, Verfassungsrecht und Wirtschaftsordnung, 専修大学ロージャーナル14号(2018年12月)1-25頁

石村修「緊急事態への憲法的対処方法―自然災害と向き合う憲法」専修大学ロージャーナル14号(2018年12月)

国際人権29号(2018.11)
・中西優美子「EU庇護制度のための一時的措置の合法性」
・實原隆志「会社のアカウントの私的使用を理由とした契約打切りに対する締約国の保護義務――バルブレスク対ルーマニア事件(ヨーロッパ人権裁判所(大法廷)2017年9月5日判決)」


長谷部恭男・山口いつ子・宍戸常寿編『メディア判例百選〔第2版〕』(有斐閣、2018年)
・小山 剛 「1  取材源の秘匿と主事の自由」
・工藤達朗 「6  報道の自由と公正な裁判」
・渡辺康行 「10 取材への応答拒否」
・神橋一彦 「14 意思形成過程情報と情報公開」
・林 知更 「44 行政による個人情報の管理・利用の合憲性」
・實原隆志 「47 少年の仮名報道と少年法61条」
・近藤 敦 「51 外国人氏名の日本語読みと人格権」
・笹田栄司 「61 書籍等の輸入と税関検査」
・棟居快行 「74 プライバシー権を理由とするモデル小説の事前差止め」
・鈴木秀美 「81 モデル小説と名誉棄損」
・斎藤一久 「85 教科書検定と出版の自由」
・丸山敦裕 「90 テレビ番組の取材対象者に対する名誉棄損」
・西土彰一郎「110 パソコン通信上の名誉棄損とシスオペの削除義務」

斎藤一久・堀口悟郎『図録 日本国憲法』(弘文堂、2018年)
・斎藤一久「憲法とは何か」、「天皇」
・石塚壮太郎「学問の自由と大学の自治」、「憲法改正」

赤坂正浩「ドイツ憲法判例研究(211) 『第三の性』決定――インターセクシュアルの性別登録と一般的人格権・平等権[連邦憲法裁判所第1法廷2017.10.10決定]」自治研究94巻12号(2018.12)144-152頁

【追加】
赤坂幸一「日本国憲法のアイデンティティ 第4回 公権力の透明性と理由提示」論究ジュリスト(2018年秋号)139-150頁

Yuri Matsubara, Transparenz in Steuersachen in Japan, ZJAPANR, Bd. 23 Nr. 46 (2018), 181

2018年12月6日木曜日

第253回研究会

日時:2018年12月8日(土)15時~ *第2土曜日に開催します。
場所:慶應義塾大学三田キャンパス1号館105教室
   http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html キャンパスマップ⑨の建物
報告者:新井貴大(慶應義塾大学大学院)
報告判例:2018年3月21日の第一法廷決定(1 BvF 1/13)
     [官庁による消費者への情報提供と職業の自由]
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2018/03/fs20180321_1bvf000113.html
決定要旨:
1. 国家による情報提供活動は、目標設定および間接的・事実上の作用の点で職業の自由に対する介入に機能的等価物(funktionales Äquivalent)として匹敵する場合、基本法12条1項に照らして判断されねばならない。官庁の情報は次の場合に少なくとも職業の自由に対する介入に匹敵する。すなわち、官庁の情報が意図的に(zweckgerichtet)消費決定の基盤に対して影響を与え、当該事業者にとって不利益となるように市場および競争の状況を変更することによって、具体的な個々の事業者の市場条件を直接に標的とする場合である。
2. ある事業者が食品法または飼料法の諸規定に違反した場合、その法律違反が健康への危険を伴わない場合であっても、職業の自由によって保護される事業者の利益は、公衆へと情報提供を行う利益に劣後しうる。もっとも、消費に関連する法律違反についての官庁によるインターネット上の個別の情報は、法律の定めにより期限が付されなければならない。
3. 連邦憲法裁判所は、国内法が基本法に適合するか否かを、当該法律が同時にEU二次法に適合しているか疑いのある場合であっても審査する。